音柱は継子依存症

私の師範 ページ1

朝。

洗濯をしていると、

師範の浴衣の糸がほつれていた。



『あの人どんだけ寝相悪いんだ…』


つい一ヶ月前にも同じことがあったような気がする。

直さなければいけないけど、

そういえば糸はきらしていた。


『雛鶴さーん！』

雛「どうしたの？」



おっふ…。

さすがくノ一だわ…。

呼ぶと一瞬で来てくれる。


『師範の浴衣を修繕したいので、

糸を買ってきますね』

雛「分かったわ。洗濯は、私がしておくから」

『お願いします』



なぜ、浴衣の修繕を雛鶴さんに頼まないか。

きちんと理由があるのです。


雛「天元様、Aちゃんに修繕してもらうと

喜ぶものね」

『あ！！

師範、まだ寝てますよね…？

私が出かけるのは、どうか内密に…』

雛「どうしてそうも嫌がるのかわからないけど…。

Aちゃんの頼みだものね。

いいわよ。行ってらっしゃい」

『ありがとうございます！！

行ってきまぁ〜す！』



そして、なぜ内密で行かなければならないのか。

きちんと理由が(ドンッ


『ぷぎゃっ』

宇「おィ、大好きな師範に内緒で、

どこ行くつもりだ…？」

『大好きじゃないですぅ〜』

宇「あ“…？」

『ウソデス。ダイスキシハン』

宇「俺も派手に大好きだぜ…？」



見つかった…。

これが元忍かつ現音柱の実力…。

一瞬でバレた…。

とほほ。



私は河村 A。

鬼殺隊の甲。

音柱・宇髄天元の継子です。


師範である宇髄天元が使う［音の呼吸］を

使えなくもないけど、

しっくりこなかったので

［歌の呼吸］というのを使います。



そして最近の1番の悩みは、



師範が過保護すぎること。






私、もう16歳なんです。

立派な女性なんです。


それなのに…、それなのに……！！



『私、1人で行きますから！！』

宇「あんだと！？

俺も付いてく！」

『なんでですか！？

いっつもいっつも！

なんも楽しくないですよ！？』

宇「そりゃあド派手に心配だからだよ！！

変な輩に絡まれたらどーすんだ！」

『師範で耐性がついてるので大丈夫ですよ！』←



また始まっちゃったよ、この不毛な喧嘩！


分かってるよ、どうせ付いてくるってッッッ！



須「Aちゃん、天元様が泣いちゃいますよ！

意地悪はダメです！」

『これくらいで泣きませんよ！

私が泣きたいです！』


ま「天元様がいれば安心だし、行ってきなよ」

『んもーーー！！

分かりましたよーーー！！』


師範のドヤ顔が鼻につく。

師範、そーゆーところですよ。→

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す