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いやや ページ10
佐野side
今、俺の真横では顔を赤くしてるAがいて、
その頬を赤くしてるのは、俺より背が低い、ひとつ年上の男。
彼が、Aの頭を軽く撫でた。
…悔しい。俺の前では、そんな顔全然せえへんかったのに。
彼女が今日会ったばっかりの相手に、俺はかなわへん。
俺はずっと、高校入学の時からAのことが好きやった。
幸運にも1、2年で同じクラスになれて、なんとか仲良くなった。
Aは俺のこと信頼してくれてるし、いつも一緒にいるのに、悲しいぐらい俺のこと恋愛感情で見てくれてへんくて…
でも、一番近くに俺がいればいいと思って、俺はずっとAと一緒にいた。
Aが誠也くんのこと知らんことに驚いたフリしてたけど、ほんまは
他の子みたいに夢中になって欲しくなくて、知らせんようにしてただけやったのに。
…俺の努力、無駄やん。
めっちゃ、いやや。
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作者名：ぴのたん | 作成日時：2019年12月9日 12時
