シークレット・メモリー (ページ14)

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１４：夢。ページ14

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その日の夜は、久しぶりに
宏光の夢を見た

夢の中の宏光と私は幸せそうに笑ってて

その二人の間には宏斗がいて、

“ 俺にそっくりだな～”

“ 私にそっくりだから可愛いんだよ？”

なんてくだらない言い合いして、
一緒にお昼寝して

宏光と、宏斗のそっくりな寝顔に私は癒される

そんな、叶えられない夢を見た私は
目が覚めた時に、

自分の頬に冷たい涙が流れていたことに気づく

覚悟はしてたけど、
宏光と一緒に過ごす生活が恋しくなって

その度に、宏光が普通の人だったら
良かったのに･･･って

最低なことを考えてしまう

「･･････そろそろ仕事しなきゃ」

宏光と別れてからこれまで
貯金で過ごしてきた。

けどもうそろそろ限界だ。

新しく仕事を探さなきゃ･･･

宏光と別れる時に、仕事場も知られてたし
産休も取りにくかったから辞めたんだよね

コツコツと貯金はしてたから
これまで困らなかったけど

いきなり社員とかでバリバリには働けないから
パートから始めよう

でもその間、宏斗を誰に見てもらうかが
問題なんだよね

親も小さい頃に亡くしていないし
親戚とも疎遠だし

里奈は･･･子供2人いるし忙しいよね

なんか今、急に孤独感が襲ってきた。

たまにくるんだよね、

1人じゃないって分かってるのに、

急に寂しくなったり周りを羨んだり、

私って本当は1人なんじゃないのかなって
不安になったり･･･。

こんな時、宏光がぎゅっと抱きしめてくれたら

それだけで安心するのに。

「だあーー」

最近良く元気にヨチヨチ歩きで
動き回って楽しそうに笑ってくれる宏斗

その姿を見守っていられるのが
すごく幸せだ

たまに、テーブルの脚を掴んで
立ちそうになるものの、

あと少し･･･の所でヨチヨチ歩きに戻る

宏斗が歩き出すのも
きっともうすぐだろうな

早いな、時間が経つのって

宏斗が無事に生まれてきてくれてから
もう1年も経つんだもんね

育児が忙しくて、
なんとか宏光のことはあまり考えられないでいたけど

最近落ち着いてからまた、
宏光のことを思い出すのが増えてしまった