シークレット・メモリー (ページ12)

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１２：愛してきた自信。ページ12

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でもね、私

宮田くんよりも宏光のことを

大事に想ってる自信あるよ

この世界の誰よりも宏光のことを

愛してきた自信があるんだよ

宏光が好きだからこの選択をしたの

正しいかどうかなんて分からないし

間違っていたとしても

もう一度あの日に戻れても

私は同じ選択をすると思う。

宏光の居場所を奪いたくないから

こうして黙って言葉だけを受け止めてるの。

本当は何言えないことが

子供の存在を知ってもらえないのが

悔しくて切なすぎるくらいなのに。

「･･･宮田くん･･･本当にごめんね
私、もう行かなきゃだから」

なんで謝らないといけないんだろう

終いにはそんなことさえ思った

欲しかったアイスももう食べる気しなくて

結局何も買わないままコンビニを出た

不思議と涙は出ずに、

心の中のモヤモヤが膨らんでいくばかり

そのモヤモヤを必死に押さえつけるように

私が決めたことだからって

自分に言い聞かせた。

何度も何度も

言い聞かせて･･･歯を食いしばったんだ。

「おかえり。
あれ？何も買わなかったの？」

「･･･ちょっとね。」

「財布でも忘れた？」

「そうじゃなくて･･･宏光に･･･
宏光に会ったの。」

「･･･え？」

「･･･。」

「宏光って･･･北山宏光？」

「そう、宮田くんもいた。
ロケでこっちにきてるんだって」

「そうだったんだ･･･大丈夫？」

「うん、意外と･･･平気だったよ。」

そんな訳ない

平気なわけない

ずっと会いたかった

けどもう会っちゃいけなかった

なのに、どうして･･･？

神様が意地悪なのか･･･宏光が意地悪なのか

「･･････かわいいね」

スヤスヤと健やかに眠る宏斗を見れば、

頑張ろうって思う反面、

この愛しい愛しい存在が

本当に知られることは無いんだって実感して

悲しくもなった。

矛盾ばっかりで、ごめんね

宏斗と同じくらい、

宏光のことも大好きだから

どうしても簡単に傷ついちゃうんだよ。