記憶 ページ10
重い沈黙を破ったのは神ちゃんだった
「そう…なんや。
ごめんな！自分から言わせてもうて」
「いや、先に説明せんかった俺が悪いんで…」
「いやいや、んな気にせんといて！なぁA？」
神ちゃんが必死に笑顔を作り話を振ってくれているのに
私は一向に喋ることが出来ない
「あっ忘れとった。
俺は神山智洋で、こっちは(名字)A！
俺は神ちゃん、AはAでええよ！」
「神ちゃん、A。重岡大毅です。
初めまして…いや、お久しぶりです、か」
「んな敬語とかやめぇや！
同い年なんやしここはタメで行こ？な？」
「あ…おん。ごめん笑」
「あの」
ようやく声を出すと全員の視線がこちらを向く
「あの…本当に何も、覚えてないの？ごめん、失礼な質問で」
「全然ええよ。んー…
名前とか生年月日とか家族は何か覚えててん。
あとさっき照史と色々試したんやけど
勉強も高3まで完璧なんやって」
「記憶をなくした、経緯は？」
「それもさっきちょっと聞いてんけど
交通事故に遭うたんやって？
学校の帰り1人で歩いてて…」
1人…？
どうやら桐山先生はしげに少し違う記憶を教えたらしい
何でだろ…
私が戸惑っている間しげも違和感を感じたのか
「…待って？照史、さっき俺1人の時に事故った言うたやんな？」
「おん、せやで？」
「おかしいなぁ…何か、もう1人おった気がすんねん」
考え込むしげに少し焦り始める桐山先生
「しげ、もうすぐ点滴の時間やから…」
「待って！おった、もう1人。女…彼女？」
記憶が一部戻ってしまった
「なぁ照史、今俺の彼女どこ？」
「えっとな、しげ」
答えをはぐらかそうとする桐山先生に対し
不安そうに聞くしげ
「無事やんな？今別の部屋におるんやろ？照史」
「…それは」
とうとう慌て始めたしげはベッドを降りようともがき
桐山先生はそれを止めようと肩を押さえる
「多分せやねん、俺が誰か女性と歩いとって
そしたら急に車が飛び出して来て、そっから記憶ないから…」
「一旦落ち着こ、しげ。な？」
「絶対おったはずやねん、誰か。
多分彼女やんな？おるやんな？今どこ？なぁあき」
「私！…です」
このパニックの中思わず転がり出てしまった声
全員が凍り私の方を見る
「…A？」
驚きを隠せない神ちゃんの声
もう、引き返せない。
私はしげの目を真っ直ぐ見つめ
震える声で続けた
「…私が、あなたの彼女です」
.
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てでぃー(プロフ) - ゆきまろさん» 私こそ返事が遅くなり大変申し訳ございません...コメントありがとうございます！最初に話すのと後々話すの、どちらがしげのためだったんだろう...私自身考えてしまいます笑 3人全員に感情移入して下さったみたいで嬉しいです！こちらこそ5年間ありがとうございました！ (2021年6月23日 12時) (
レス) id: 42e8be104c (このIDを非表示/違反報告)
ゆきまろ(プロフ) - 行動や想いがこの結果に繋がったのかなと思います(うまくいえなくてすみません)。バタバタしてて読み終えるの遅くなりましたが、大好きな作品です。改めて5年間お疲れ様でした！ (2021年6月11日 23時) (レス) id: fd73da006f (このIDを非表示/違反報告)
ゆきまろ(プロフ) - 遅くなりましたが完結おめでとうございます！淳太くんの正体が分かってから、毎回どうなるんだろ…とドキドキしながら読んでいました。きっと初めに正直に話していたら、この結末にならなかったかもしれないですよね。主人公ちゃんや神ちゃんの→ (2021年6月11日 23時) (レス) id: fd73da006f (このIDを非表示/違反報告)
てでぃー(プロフ) - てんよさん» てんよさん！何度も何度も素敵なコメントありがとうございます…！ハッピーエンドにしてみました！笑 こちらこそ今まで読んでくださり、私以上に作品を愛してくださりありがとうございます。ぜひまた思い出した時にでも読み返して頂ければ作者冥利に尽きます！ (2021年5月28日 9時) (レス) id: 777307238f (このIDを非表示/違反報告)
てんよ(プロフ) - 完結おめでとうございます！そして、お疲れ様でした！最後は3人とも明るく前に進めていてほっと胸を撫で下ろしました笑 同期以上恋人未満から拝読していたのですが、どれも本当に素敵な作品でした♪素敵な時間をありがとうございました！！ (2021年5月28日 2時) (レス) id: aa8042bdaf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てでぃー
| 作成日時：2020年5月2日 0時
