同期以上友達未満 [赤] RETURNS

ピクニックと出産回顧 ページ45

-Aside-



「よーしここら辺でええか。
せいーシート敷くん手伝ってくれへん？」

「まかせろ！」



大毅も完全復活しようやく一家全員健康体になった頃
家族4人で少し遠くの公園へピクニックに来た

家族でのお出かけはあの悪夢の夢の国以来。



荷物を置いてみんなでしばらく遊んだけど
子供の体力には敵わず途中から大毅と私は代わりばんこ


滑り台の上からままー！と大きく両手を振る日花里に

高所恐怖症が妹や私達にバレないよう
必死で棒にしがみつき口を結び小さく手を振るせい

それに気づいてか2人の肩に手を置いたまま笑う大毅を


見るだけでも楽しかった




「いくで？せーのっ！」


掛け声をかけて得意げに日花里が大きなお弁当箱を開けた



「わー！うまそ！」

「これ日花里が手伝ったんやろ？すーごいなぁ」


目を輝かせるせいを見て得意げな日花里
大毅にも頬を突かれくすぐったそうにしつつご満悦



でも全員でいただきますをしてから唐揚げを口に入れ
うまっ！と感嘆した大毅が目を合わせたのは私



「こんな景色ええとこでこんな美味いもん食べるとか最高やなぁ」


口一杯に頬張りサラッと褒めてくれる大毅に
久々に胸がギュッとした




「あ、そーいえばさ。ぼくが生まれる時ってどんなんだった？」

「何どうしたの急に笑」



「べつに、気になっただけ…」


で？で？と聞いてくるせい



「んー今と変わらず元気でちょっと臆病な子だったかなぁ。
特別困ることはなかっ…あ」



せいの時といえば1つあるけど
流石に子供には言えないな…と大毅を見ると

一瞬考えてからあぁ、と頷き
言われへんなぁ、とばかりにこっちを見て笑う



そう、忘れられる訳はない

特に右も左も分からない第1子出産の時にぶち当たった壁なんて。





それさぁ。マタニティブルー、ちゃう？




リビングでわざわざ座らされ
最近悩みすぎてへん？と前置きした大毅に言われたのだった



な訳、と笑ったけど思い当たる節はあって
それを全部大毅に言い当てられた



「折角赤ちゃん生まれたのに何で私こんなに気怠いんやろ
何でこない落ち込んでるんやろ、私何でこんなに育児でけへんねん

私はひどい母親や、こんなこと考えたらあかん！…違う？」


何も返せない私に大毅はもう1度言ったのだった




「それな、マタニティブルーやで」



ホッとしたなぁ、あの時。



「まぁ平たく言うてまえば生理現象やな。
妊婦さんみんななるやつや、お前のせいちゃう」


そう言い切り
気づかれへんでごめんな、って抱き寄せてくれて。

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