同期以上友達未満 [赤] RETURNS

重岡大毅のシゲオカダイアリー ページ11

「いってきます！」

「わーいじゅんたくんのおうち！」



「日花里、いい子にして皆さんの言うこと聞いてね」

「うん！りゅせくん、おてて！」



「ん？手ぇ繋ぐん？んふ、ええよ。はい」

「なぁ日花里ちゃんもう片っぽはのんさんと繋ごか♡
えっ無視！？俺より淳太なん！？えええええ！？」


すでに面食い気質な日花里は
大好きな流星くんと手を繋いでご満悦

もう片手を中間先輩に委ねて上手く先輩を転がしながら
小瀧くんにはツンデレという小悪魔っぷり




「せい！お前にミッションを課す！」

「なんですかたいちょー！」


「妹の面倒をしっかり見るように！」

「はい！」


「こいつらの言うことを聞くように！」

「はい！」


「その2つを守ったら淳太をオモチャにすることを許そう！」

「イェッサー！」


「行ってこい！」

「いってきます！はまださんいこ！」



「おし来た！」

「さぁ、果たして重岡はミッションをクリア出来るのか…」


せいは"はまださん"呼びは抜けないけど大好きな
濱ちゃん先輩とハイタッチを交わし

神ちゃんの無駄にいい声のナレーションに
さらにテンションを上げて家を出て行く



「じゃあ後は俺らに任せてな。
引越しはしっかり終わらせて旅行楽しむんやで！」


桐山先輩2人のリュックを軽々持ち上げて
バイバイ！と手を振ってからドアを閉めた




「…さ、私達も」

「パパッと済ませてさっさと旅行行くか！」






家が一気に静まったことで
仕事並みの集中力でどんどん荷造りを済ませる私達

業者が来るまで後1時間という所で
私はリビング周辺、大毅は寝室を片付けることに



写真立てやアルバム、小物などを1つ1つダンボールに入れ
本棚もほとんど空になった時

パサっと音を立ててノートが落ちた



あ、と拾い上げようとすると開いたページに
少し雑な字で私の名前、それも旧姓が見えて思わず立ち止まる



とりあえず他の本を全部箱に入れてからそのノートを開いてみると

何年も前の西暦と日付



"今日は1番行きたい所の面接。上手くしゃべれた。

就活のために書き始めた日記やけど案外楽しいし続けようと思う。
採用される気するし新生活記録用で新しく始めよ。これ言霊な。


てことで重岡大毅のシゲオカダイアリー、社会人編〜！ぱちぱちぱち


あかん1ページ目からすべった。


そういやすべったと言えば今日やばいやつがおった。

面接終わった達成感で廊下でスキップしてそのまま転んだ浮かれポンチ。
めっちゃ笑ったった。


何となくやけど、あいつとはまた会う気がする。"

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