同期以上友達未満 [赤] RETURNS

朝のバタバタ ページ2

「ほんま、お前が変なこと教えるからやろ笑」

「いや関西弁は大毅でしょ！」


「お前それより自分の準備は？」

「そうだやっば。諸々任せていい？ご飯キッチンにあるから」



「おぉ。っしゃ行くで日花里！パパとお着替えや！」


よいしょー！と抱き上げると
さっきまでぬいぐるみのことで怒っていたはずの日花里も
キャッキャと笑うからつい大毅も甘くなるんだろうなぁ。



「せい着替えたか！？」

「もうちょっと！」


「日花里着替えさすから終わったら先飯食っといて！
何かあったら言うてな、靴下のかかとの向き気ぃつけて！」

「あっまちがえてた！ありがとパパ！」



大毅の言葉に甘えてようやく自分の着替えを済ませ
手っ取り早くメイクして髪を直す


チラチラとダイニングテーブルを確認すると

日花里の世話を焼きながらせいと話しながら自分も食べるという
高度な技をようやく手慣れてこなす大毅がいた






「せいお前靴履けるか？」

「はけるもん！」

「大毅これせいの連絡帳！」

「ママぁーくつー！」



3人が完食し私も何とかお腹に食べ物を入れ
歯磨きを済ませるともう時間はかなりギリギリ

4人全員で玄関に集結しぎゅうぎゅう詰めで最終準備



「お前自転車の鍵忘れてんぞ！」

「あっありがとう！せい、パパと先行っていいよ」



「パパ！はしろ！」

「まじで言うてる？」


げんなり顔の大毅はせいにしっかり手を握られ
マンションの廊下を走り始める



「おにいちゃんあちはやい、パパたいへん」

「大丈夫、せいも足速いけどああ見えてパパスポーツ出来るから笑」


やはり女の子の成長は早いのか
すでに父親の心配をする日花里を

抱っこしたまま戸締りして自転車置き場へ



「ベルトよし、ヘルメットよし。日花里掴まっててよ！」

「パパとおにいちゃんぬかす！」



「抜かす！」


私はママチャリの電池を全開にして勢いよく漕ぎ始めた



「お先でーす！」


「お前それはずるない！？」

「パパもっとはやく！」


せいに合わせて腰も曲げているせいで
圧倒的に体への負担が大きい大毅を優雅に抜かして駅近の保育園へ



「お願いします！」

「お願い、します…」


「ほら行くよ大毅！」

「鬼やろお前」



本当に運が良くまだ定員に達していなくて
2人とも受け入れてくれた保育園の先生も一緒に

お見送りされながら駐輪場にダッシュ



「ママーパパーばんがれー！」

「おしごとがんばってねー！」


2人の声援に背中を押されて
勢いよく駐輪場から駅、そして電車に駆け込んだ

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