カフェホリック男子 [桃]

ミッションインポッシブル ページ8

今日ほど学校に行きたくない日は一生ないと思う


重い身体を引きずって通学路を歩き
教室の中を確認

小瀧望、前の方の席で藤井流星と談笑中、よし。



しれっと、こそっと後ろから教室に滑り込む…




「ヨォお前今日遅かったな！」



…失敗。




「あーもうしげのバーカ！」

「ハァ？笑」


「あのねぇ！今人が頑張ってコソッと入って来てるのに！」

「何でコソッと入る必要があるん笑」


「それは…別に、気分」

「どんな気分やねん笑」



しげに向かってあっかんべーしてから
小瀧望の様子を伺うけど気づかれた様子はない

とりあえずセーフ。





その日の授業では何となく小瀧望を観察していた



まずは桐山先生の日本史

本人も勉強が苦手だったらしく
丁寧に分かりやすく、面白く教えてくれる



「んでこいつ！まぁーめんどいやつやねん。
えぇー今日は7日やから…小瀧くん！」

「…あ、俺？」


「そうですこのクラスに小瀧くんキミしかいません笑
何をした人でしょう！」

「沖縄行ってダイビング？」



「それ先週末のワシやないか！」


しげ含むクラス全員が爆笑して得意げに両手を挙げる小瀧望
サッカー選手風に投げキスを始める所までまるっと通常営業。





そして女子から密かに
『登場人物を先生に置き換えると点数が上がる』と囁かれている

濱ちゃん先生の古文



「ほなこれの活用、んー眠気覚ましにしげ！」

「パス！」


「せめて努力しろやぁー笑」

「パスっす！(名字)Aに！」



「じゃあかわいそやけど(名字)さん！お願いしまーちゅ」

「はい、えーっと…」


古文は得意な方だからしげに無茶振りされても
答えつつ小瀧望の観察出来るくらいの余裕がある




「はい次！えー…へへっ、小瀧さーん？笑」

「ん…」


「小瀧さん起きてくださーい？ほれ、源氏物語の主人公は？笑」

「忘れた、濱ちゃん教えて？」



濱ちゃん先生に半分呆れた困り顔で笑われ
女子には可愛い可愛い言われて

口角が微妙に上がってるのが見えたのはきっと私だけ。



それに、昨日れいんぼうで
小瀧望が源氏物語を予習していたのを知っているのも私だけ。

…こいつ、わざと間違えたな？





お昼はチャラ友達とつるんでいて
その中の1人がメロンパンを勧めたけど

小瀧望は『甘い物苦手』と断った


あんなにケーキ食べてたのに。





おまけに何の話の流れだか


『何やねんカフェでのんびりて、女子か！笑』

なんてツッコミは聞こえて来るし、色々矛盾している




とにかく小瀧望は普段通りに戻ったことだけ分かった

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