俺を、好きになって。 (ページ9)

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悪魔的キューピッドページ9

――いない、か。

がっかりした訳では無いが
ほんの少しの虚無感により
彼がいることを期待していた自分に気がつく。

「いらっしゃい、あ」

顔面偏差値の店員さんが私を見た瞬間
何やら不敵な笑みを浮かべた、気がした。

「ミルクティーください」

端っこから2番目の席。
私が頼んで出てきたのは

「ミルクティーとプリンね」
「？」

「まだ試作品なんだけど、試食良かったら」
「ありがとうございます」

ミルクティーもそこそこに
気になるプリンをひとくち食べると

ブランデーが効いていて美味しい。

「大人な味のプリンですね、おいしいです」
「それはよかった。変わり種のプリンを開発中でね、なにかアイデアあれば」

そういうと、スマホをちらつかせる彼。
……見た目通り、チャラいみたいだ。

「いや、私味音痴ですし」
「まぁまぁ、舌が肥えてるからおいしいものを作り出せるってわけでもないでしょ」

そんな彼から私が逃げられるはずもなく……

ソンジェ今日は試食ありがとね。また店においで～。待ってるよ～

Aご馳走様でした。おいしかったです