俺を、好きになって。 (ページ2)

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いつもの、ミルクティーページ2

「お～久しぶり」
「うん、いつもの」

「相変わらず不愛想だな」
「お前うるさい」

どうやら彼は店員さんと知り合いらしく
犬的テンションと猫的テンションの会話が展開されている。

隣の席が彼の定位置なのかな、などと思い巡らせているうちに
店員さんはバックヤードへと消えていき

気まずい雰囲気が流れ始めた。

隣から漂う威圧感のためにスマホへと視線を集中させている私に

まさにその隣から視線が降り注がれているのは
気のせいではないと思う。

意を決してちらりと一瞬視線を送ると
光の速さで散らされた私への注目。

黒いキャップに黒いマスク
その隙間から見えた伏せられた目だけでも
顔が整っているのがわかる。

――というか

この人、体の大きさからするときっと背が高いだろうに
私と座高がそんなに変わらないとはどういうことだ。

「ごめんね～狭いよね。
こいつここが特等席でさ、はいミルクティーね」
「いえ、ありがとうございます」

「はい、そしてこっちもいつものミルクティー」
「ん」

ミルクティーを飲み干した後、ちょうど雨は止み
私はその場を後にした。