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「勝手に居なくなってごめんね」
視線はそのままに、視界の端で俺を認識した桃瀬さんの一言目。
怒られて、しゅんとした幼い子供みたいな声だった。
本当に、この人は幾つ顔を持っているんだろう。
『ご主人様の元に戻ってくるのが忠犬の役目なんで。桃瀬さんがどこにいても見つけますよ』
俺も桃瀬さんとと同じように視線は夜空に向けたまま。
ふふふ、と隣から小さく笑い声が聞こえる。
「人混みと･･･愛想笑いにちょっと疲れちゃった」
違和感を感じてちらりと隣を伺うと、あの時の。
･･･悲しそうな笑顔が見えた。
一緒に食べようねと取りに行ってくれたはずのお皿も手元にはない。
俺がいない間に何かあったのは明白だった。
でも･･･気付かないフリをする。
それが･･･今、俺に出来る最大限の優しさだったから。
『俺も人混み、苦手です。初売りだとか行った試しがないです』
「ふふ、私も。あんなに人がいたら見たいものも見れないもん」
『安くなってるっていう思い込みのもとの団体芸ですよね、実際そうでもないことの方が多いのに』
「日本人ってマイノリティを嫌うから私も行かなきゃ！って気になるんだよ、きっと」
『それが日本人らしさなら、残念なことに欠落してますね』
「私たち、至って日本人らしい顔立ちなのにね、ふふ」
2人で夜空を見上げたまま、たわいもない会話を続ける。
今日は夜空が綺麗だ。月も星も良く見える。
･･･北斗七星はどこに見えるだろうか。
「･･･どうして月が綺麗ですね、なんて言ったんだろうね」
『猫で･･･坊ちゃんな彼ですか？』
「ふふ、うん。その彼」
教科書に幾度となく出現する、お札の顔でもあった彼の文豪が、I love you.を月が綺麗ですね、と和訳したのは有名な話だ。
物思いにふけるには相応しい夜空。
今日の夜空を見ながらそんなことを聞く桃瀬さんの真意はわからないけど、文豪のあの言葉を今日の夜空に重ねる気持ちは、少しわかる気がした。
『それこそ日本人らしさだと思いません？』
「私たちに欠けているって噂の？」
思わず笑みが溢れる。
桃瀬さんとの会話はテンポが心地いい。
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月妃(プロフ) - yuuuuuukaさん» そう言って頂いて私の方がテンション上がってます！！！私の中で年下という設定を1番大切に書いているつもりなのでその感想、泣いて喜んでます！ももほく、これからもよろしくお願いします(^^)更新も頑張ります！ (2021年1月18日 2時) (
レス) id: 9fa29a3ce2 (このIDを非表示/違反報告)
yuuuuuuka(プロフ) - とても大好きな作品で更新されてるたびにテンションが上がります！！北斗くんの年下男の子感も、ももちゃんも可愛すぎます^ ^最後まで楽しみにしてます。お忙しいと思いますが更新頑張って下さい。 (2021年1月17日 21時) (レス) id: 8fc0637993 (このIDを非表示/違反報告)
月妃(プロフ) - kaaaaaa0615さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！！本日1話up予定です！これからもお付き合い頂けると幸いです(^^)北斗くん共々よろしくお願いいたします！ (2021年1月17日 8時) (レス) id: 9fa29a3ce2 (このIDを非表示/違反報告)
kaaaaaa0615(プロフ) - とても大好きな作品で、毎回楽しみながら読ませて頂いてます！更新頑張ってください！ (2021年1月16日 23時) (レス) id: 34bbe03f6c (このIDを非表示/違反報告)
月妃(プロフ) - もふもふさん» ありがとうございます！そう言って頂けて本当に嬉しいです！！年上モモちゃんに振り回される優等生わんこの北斗くんをこれからもよろしくお願いします(^^)更新頑張ります！ (2020年12月19日 3時) (レス) id: 9fa29a3ce2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月妃 | 作成日時：2020年10月17日 19時
