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内定式。
「あれ?もしかして・・・北斗?」
『え?こーち?』
「わ、樹もいるじゃん!久しぶりだなぁ!」
中学途中で転校した旧友にこんなところで再会するとは。
式が始まり、出身校と氏名を述べる自己紹介が終わると、社長をはじめ、役員の方々の挨拶が続く。粛々と式が終わると、懇親会を兼ねた昼食とのことだった。
社長と藤ヶ谷さんと桃瀬さん、そして内定者。
連れてこられたのは如何にも高そうな鉄板焼きのお店だった。こんなお店、来たことがない。3つのテーブルで社員さんを1人ずつ囲む形で座る。
いい仕事はいい食事から。社長のモットーらしい。
ここは取引先らしく、社長の為ならと快く貸し切ってくれたと俺の斜め前に座っている桃瀬さんが教えてくれた。
先程、空席だったその席に桃瀬さんが座ると分かった瞬間、嬉しさと緊張で柄にもなく狼狽た俺。
「北斗、落ち着け!深呼吸!そんでいつものお前よりちょっとテンション上げとけ!」
隣にいる樹に小声でそう言われ、俺の前に座ってる慎太郎は樹の言葉にぶんぶん頭を縦にふっていた。
「桃瀬です!よろしくお願いします!」
深呼吸の終わりかけに桃瀬さんが慎太郎の隣の椅子に手をかけたから、吐き出すはずの息がヒュンと鳴った。
・
「そうなんだ!3人で旅行ってもう仲良いんだねー!」
「そうなんすよ!北斗、あ、松村くんとは幼馴染なんで元々仲良いんすけど、なんかこいつとも意気投合しちゃって!」
「でもさっき、あの子とも知り合いって言ってたよね、樹」
「え?そうなの?運命みたいですごいね!」
「はは、運命って言われると大袈裟っすけど」
「でも、同期ってほんとに大事。・・・ほんとに。大切にしてね!」
『桃瀬さんの同期ってどんな方なんですか?』
あれ。意外と普通に話せているかもしれない。
「そこにいる藤ヶ谷も同期だよ?あんな風にカッコつけてるように見えるけど・・・ふふ、意外と天然なの」
「おい、桃瀬!俺の悪口言ったろ!」
隣のテーブルから藤ヶ谷さんの声がとんでくる。
「え?なんのこと?ふふ、むしろ褒めてるよね、松村くん?」
桃瀬さんのこの笑顔に、俺はめっぽう弱いらしい。
さっきの慎太郎みたいに頭を縦にふっていた。
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月妃(プロフ) - 桜さん» その他、多々ご希望に沿えず申し訳ありませんでした。貴重なご意見ありがとうございます。 (2021年1月30日 3時) (レス) id: 9fa29a3ce2 (このIDを非表示/違反報告)
月妃(プロフ) - 桜さん» コメントありがとうございます。既にご存知かもしれませんが、お気に入り追加という機能を使用して頂ければしおり機能を兼ねていますので、読んだ続きからお楽しみ頂けます。次回更新の際も通知を受け取れたりと便利ですので、是非ご活用頂ければと思います。 (2021年1月30日 3時) (レス) id: 9fa29a3ce2 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - 続けてのコメントですみません(>_<) この物語って芸能人設定ではなくて一般人 しかも学生さん設定だったんですね。。。 そうならそうで作品の紹介の所に書いていて 欲しかったですね。。。 (2021年1月30日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 夜遅くにいきなりすみません。。。 思ったのですが...。 物語の各題名・だと後からどこまで読んだのかが分からないので数字もしくは第○話に変えてはどうでしょうか? (2021年1月30日 1時) (レス) id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月妃 | 作成日時:2020年6月29日 0時