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Side_YOU


前髪を結んだジェヒョンくんに学校に行くことを伝えると予定が狂ったため苛ついてしまったのか、ドヨンくんの脛を笑顔で蹴っていた。「いいよ、本業は勉強だもんね」絶対そんな風に思ってないんだろうなあ。「学校の後は?迎え行くから、そのまま出掛けよう」『…ジェヒョンくんが来るの?』「うん」『……それはちょっと、嫌かも』「………」学校にお迎えってだけで目立つだろうし、ジェヒョンくんは格好いいから次の日にあれは誰だとかどんな関係だとか聞かれるのが目に見えて面倒くさい。「途中まで迎えに行くのは?」『……それも見られた嫌だから』「…テヨンイヒョン、何か仕事無い?今なら俺何でも出来る気がする」ジェヒョンくんは私との約束が無くなったからなのか仕事をしたい気分になったようでテヨンくんに詰め寄っていた。



マークはご飯を食べずにただぼーっとそのやり取りを見ていた。寝ている間に引っ掻きでもしたのか、首筋には数本の赤い線がうっすらついている。何故かそれがとても魅力的に感じてしまい指でそれをなぞったら、その手はマークに払われてしまった。



『……』
「ごめん、びっくりして」
『ううん。私も急に触ったから…痛くない?』
「うん、これくらいは…何とも」



マークが俯いて鼻を触った。これはマークが困っている時にやる癖だ。今、私はマークを困らせているらしい。昨日のことを無かったかのように振る舞おうとしているのがまずいのだとしたら、はっきりとマークのことはそういう目で見れないと言った方が困らせずに済むのだろうか。気まずい空気を打ち壊してくれたのは私のスマホで、画面には登録されていない番号が表示されていた。



「出ないの?」
『知らない番号…』
「一旦出て変なのだったら切ればいいよ。その後問題があるようなら買い換えればいい」



ドヨンくんがそう言ったから、恐る恐る受話にして耳を当てる。私から言葉を発することはせず向こうが話すのを待っていたら《……Aか?》ひどく懐かしい忘れかけていた声が聞こえた。



『…お父さん?』





その場にいた全員と目が合う。ドヨンくんが首を小さく左右に振り、お父さんが何かを話し始めたタイミングで通話が終わった。私からスマホを取り上げ電話を切ったのはテヨンくんで、私にスマホを返さず部屋にある水槽に落とすと「新しいのを買っておいで」と、カードを渡してきた。テヨンくんを怖いと感じたのはこれが初めてだった。



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くるみ(プロフ) - とっても面白くて、すぐに読み切ってしまいました!続きを楽しみに待っています♡ (1月20日 18時) (レス) @page50 id: 69d5710b46 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 過去一好きなお話でした!続編をお待ちしております^_^ (12月11日 1時) (レス) id: 62cc5adb96 (このIDを非表示/違反報告)
Lily - ほんとに面白いです、お話の作り方がとても素敵で、何度も見返してしまいます☺︎ (7月29日 23時) (レス) id: 530821bf39 (このIDを非表示/違反報告)
しちゃん(プロフ) - 展開も言葉の紡ぎ方も、私のドクストライクです♡こちらの作品すごくだいすきなので、この先の更新を楽しみにしています♡ (6月21日 20時) (レス) id: a441c60bfa (このIDを非表示/違反報告)
cafe(プロフ) - ハラハラしつつも、日常の中に見えるクスッと感がたまらなく好きです!(個人的にドヨンの溢れ出る主人公への愛とジェヒョンの静かなシスコンの対比が大好物です笑)。筆者様のペースでこれからも更新頑張ってください!続きも楽しみにしています。 (2024年5月4日 18時) (レス) @page30 id: 509f3fa889 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぴおん | 作成日時:2024年3月19日 8時

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