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『おいしい、クンさん天才』
「な、麻婆豆腐超うめえ。」
『表の顔はプロの料理人だからね。ソウルにお店出してるよ』
「ふーん……てかさ、俺たちがここにいることバレねえの？」
『クンさんは大丈夫』
チャイムを鳴らすとエプロン姿のクンさんが出て来て、おそらくなんとなくの事情は誰かから聞いているのか「もうお昼過ぎだしお腹空いてるでしょ？」と驚くことなく私たちを招き入れてくれた。クンさんは銃やらそういったものを卸してくれる人で、家以外にもさまざまな組織と結託しているから、家と特別に強い繋がりがある訳ではないけれど、ドヨンくんとは同い年だからお家のことは抜きにして個人的に連絡を取り合っている仲らしい。けれど、どこかの組織に寄り添いすぎたらそれはそれで面倒ごとが起こるらしく、内部事情には関わらないようにしているみたいだから、きっと私がここにいることは誰にも話すつもりはない気がする。
『クンさんは大丈夫』
「いつ帰んの？」
『マークが謝ってくるまで帰らない』
「……もし昨日の人と鉢合わせたらどうすんの？俺たち本当に殺されるんじゃね？」
『そしたら先手必勝だよ』
制服のスカートのウエスト部分には、昨日「今後何かあるかもしれないから」と、テンさんがこっそり渡してくれたものが入ったケースをベルトのように巻いている。それを叩くと重厚感のある音がして、ドンヒョクは口をわなわな震わせた。
「正気？使ったことあんの？」
『ないけど』
「……はあ？」
『エアガンだよ。本物な訳ないじゃん。護身用にはなるから念のためにって。お兄ちゃんたちは私がこういうものを持つのは嫌がるからバレないようにねって言われた』
「……焦った」
『さすがに本物は……』
ケースから取り出して見た目は本物そっくりのそれを眺めていたら、追加のおかずを持ってきてくれたクンさんが「僕でよければ使い方教えてあげようか？」と私の隣に座った。
「これはエアガンの中でも扱い方が難しい方なんだ」
『……へえ』
「これくれたの、テンでしょ？」
『何で分かるんですか？』
「ほら」
クンさんが指差したスライド部分を見たらそこにはTと刻んであった。「テンは気に入ったものには名前を刻む癖があるんだ。それに、このエアガンは幼い頃マークも練習で使ってたんだよ」懐かしいなあ、クンさんはどんぐりのような目を細め「どうする？」と私とドンヒョクの顔を交互に見た。
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くるみ(プロフ) - とっても面白くて、すぐに読み切ってしまいました！続きを楽しみに待っています♡ (1月20日 18時) (
レス) @page50 id: 69d5710b46 (このIDを非表示/違反報告)
海(プロフ) - 過去一好きなお話でした！続編をお待ちしております^_^ (12月11日 1時) (レス) id: 62cc5adb96 (このIDを非表示/違反報告)
Lily - ほんとに面白いです、お話の作り方がとても素敵で、何度も見返してしまいます☺︎ (7月29日 23時) (レス) id: 530821bf39 (このIDを非表示/違反報告)
しちゃん(プロフ) - 展開も言葉の紡ぎ方も、私のドクストライクです♡こちらの作品すごくだいすきなので、この先の更新を楽しみにしています♡ (6月21日 20時) (レス) id: a441c60bfa (このIDを非表示/違反報告)
cafe(プロフ) - ハラハラしつつも、日常の中に見えるクスッと感がたまらなく好きです！（個人的にドヨンの溢れ出る主人公への愛とジェヒョンの静かなシスコンの対比が大好物です笑）。筆者様のペースでこれからも更新頑張ってください！続きも楽しみにしています。 (2024年5月4日 18時) (レス) @page30 id: 509f3fa889 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぴおん | 作成日時：2024年3月19日 8時
