安室透の前で盛大にこけるところから始まる話

※番外編 ページ42

「その顔……」
『いやっ、なんというかっ、これはその、ちょっとびっくりしちゃってブワァっとなったっていうか？！決して安室さんにドキドキしたとかそんなんじゃないし！？っていうか、イケメンすぎるのが悪いんじゃない？え？なんなの？私を落としたいの？もう落ちてるわよ！これ以上好きにさせないでよ！バカなの？バカよ！私がバカなのよ！って何言ってるんだろ私…』
「……」

キョトンとした顔でこちらを見る安室さん。
いや、うん。私もその顔したい。
自分で言ったことにびっくりしすぎてキョトンってしたい。

「…えっ。え？………は！？！？」
『エっ……』

固まっていた安室さんがやっと動き出したと思ったら、自分の赤くなった顔をいきなりバッと手で隠した。
えっ。待ってやめて。うつるから。
顔が赤くなるのがうつるからやめて。

「はっ？！おまっ、何言ってっ……！俺だって好きだ！！いつも変なところで煽りやがって！！」
『なっ…、煽る！？何を？！別に何もしてないじゃない！！っていうか、顔真っ赤にしないでよ！！』
「それはこっちのセリフだ！！最初に顔を赤くしたのはAだろ！！可愛すぎか！！煽ってんのか！？」
『煽ってないわよ！！ほんとなんなの！？透のせいでいっつも振り回されてるこっちの身にもなってほしいわよ！！』
「振り回されてるのはこっちだ！！Aが可愛すぎるのが悪いんだろ！！」
『なんで私が悪いのよ！？透だってかっこよすぎよ！もう透以上に好きになる人なんてできなくなっちゃったわよ！！』
「俺だってA以上に愛してるやつなんて、これから一生いないからな！！」
『は！？意味わかんない！！もうバカ！！アホ！！好き！！ちょっ、何する、んぅっ』

ぎゅっと壁に押さえつけられて、強引に唇を重ねられる。
もうなんなのよ！！
いつも急にキスしてきて！！

『っ…とぉるっ……やめっ…』
「うるさい」
『んっ……』

顔を背けようとしても、固定されて全く動けない。
長い間激しいキスをされて、どんどん力が抜けていく。
ああ、どうしよう。
このままじゃ、今の関係じゃ足りなくなっちゃう。

「ははっ。顔がトロンってしてる。可愛い」
『なっ！？……っ…バカ！！』
「………やっぱりもう一回キスしたい」
『は？何言って……っ』

するりと頬を撫でられて、その青色の綺麗な瞳に見つめられて何も言えなくなる。
親指でゆっくり唇を撫でられて、透の顔が少し傾いて。




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「『……焦げ臭い…」』

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