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なんて願ったって何も変わらなかったわよ。
結局、あれからその場にいること30分。
すでに約束の時間を20分も過ぎてしまった。
本当に何やってるのかしらあのイケメン。
よりにもよってどうしてここで、こんなに長い時間滞在してるのよ。おかしいわよ。
それよりも、今は電話をした彼の方が怖いわね。
私から頼んでおいて、こんなに約束の時間に遅れるなんて、今度はこの豪邸に入る勇気がなくなってきたわよ。
電話をした彼はきっと優しいから許してくれる？
そんなわけないでしょう。
私の兄の友人で私が小学生から知ってるけど、全く優しくなんてないわよ。
嘘じゃないわよ。ほんとよほんと。
はぁ。と何度目かのため息をつきそうになった時、いきなり携帯が震え出した。
『げ……。着信…』
画面を見るとそこには沖矢昴の文字。
やだこれ。嫌よ。出たくない。
怒られるのが分かってるじゃない。
無視しよう。と決め込んで携帯をカバンの中に入れるものの、なかなかきれないバイブレーション。
あぁ、もううるさいわね。
でるわよ。でるから怒らないでよ。
『も、もしもし…』
“「何をしている。早く入れ。30分もそこでコソコソするな」”
『…気づいてたんだったら助けてよ。あの白い車をどっかにやって』
“「…悪いが今は手が離せなくてな」”
『嘘だ。それは絶対嘘だ』
“「早くしないと肉じゃがが冷めるぞ」”
『…か弱い女性の助けに全く耳を傾けないで、自分は肉じゃがを食べてるわけ？』
「え？あなたってそんなにか弱くないですよね？」
『うわ、さいってー。いっつも一言多いんだか、ら…………』
あれ…？
今の声って、電話からじゃなくて後ろから聞こえたよね？
しかも夢の中で、聞き覚えのありまくる声だったわよ。
嘘よね。嘘よね。
後ろを振り返りたくないんだけど。
“「……助けになんか行かないからな」”
『え゛………』
その言葉を最後に、電話はぶちっと切れてしまった。
嘘でしょ。ひどい！ありえないんだけど！あの薄情者！おたんこなす！ニット帽野郎！目の下クマ野郎！！
心の中では数々の罵倒の言葉を並べていたが、体は電話を耳にあてたままぴくりとも動かない。
待って待って落ち着いて。
こんなことしてる場合じゃないでしょ。
深呼吸よ。深呼吸。
ゆっくり後ろを振り返ればいいのよ。
あれは夢の中での話じゃない。
「僕を無視して仲良く男と電話ですか？」
『ひぃぁ……』
後ろを向こうとした瞬間、耳元で艶やかな声が聞こえた。
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はりねずみ。(プロフ) - 由羅さん» 神だなんてもったいないお言葉です……！ありがとうございます！ (2020年3月15日 17時) (
レス) id: f57cf1299c (このIDを非表示/違反報告)
由羅(プロフ) - 神、神ですね……神としかいいようがないです (2020年3月10日 14時) (レス) id: a829207c12 (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - 笑々さん» ありがとうございます！！笑っていただけて嬉しいです！私自身、そんな感じの会話が大好きなので、安室さんたちにもやってもらいました笑 ありがとうございます！ (2019年10月10日 23時) (レス) id: 2649fb9203 (このIDを非表示/違反報告)
笑々(プロフ) - 名前を呼ばせるところで、早すぎだろなんか腹立つな は声をあげて笑いました笑 ありがとうございます笑 (2019年9月23日 10時) (レス) id: f052978bd7 (このIDを非表示/違反報告)
はりねずみ。(プロフ) - ここねさん» きゃー！ありがとうございます！！とても！すごく！本当に嬉しいです！！続編でも面白さとキュンキュンを追求してお話を進めれるように頑張りますね！これからもよろしくお願いします！ (2019年5月12日 17時) (レス) id: 2649fb9203 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はりねずみ。 | 作成日時：2018年12月12日 7時
