虹 ページ26
各自、捜査をしていく中で全てが繋がった
「皇子山さん、美希ちゃんからそれぞれ連絡がありました。全て繋がりました。煙鴉 本名、北岡剛 55歳です。煙鴉の言った“虹”の意味、それは20年前、綾霞市で分譲地として売りに出された虹の見える丘公園の“虹”でした。」
その売り出されていた土地は分譲前にあった化学工場の残留物質で土壌が高濃度で汚染されていた。
中でも最も汚染されていた一画を買ったのが北岡、奥さんと1人息子がいた。
その子が小児癌にかかり亡くなった。北岡は仕事を辞めてまで原因を探り周囲でも健康被害を訴える家族が20軒あった。
そして、土壌汚染を知っていながら土地を売ったゼネコン。販売を認可した役人、さらに綾霞市の市長が絡んでいる話だと突き止めた。
しかし、市から莫大な援助金を受けていた病院ガンと汚染との因果関係は認められないと言い出した。
北岡は世論をマスコミに訴えた。そして、裁判を起こすもその事実を隠蔽したい国の意向を受けた裁判官によって敗訴
「奥さんは?」
「綾霞市の主婦飛び降り…名前は北岡美咲。裁判が終わって半年後です。報道されている北岡の最後の言葉は、「国に何もかも盗まれた」それから北岡の行方はようとして知れません。
その後、煙鴉が犯したと思われる60件の盗み別の角度から詳細に調べてみました」
「すると全て何らかの形で虹の見える丘公園に関連のある人たちでした。分譲に関わった各会社の社員、大勢の自自体の役人、官僚、裁判官、大学教授、政治家。カモフラージュのため現金や貴金属を盗んでいたので誰もその関連に気づかなかった」
「で、コツコツ証拠を集め恐らく最後の詰めとして最重要責任者に当たってるっちゅうわけか」
「ケムさんは…名前も自分自身も消して復讐の機会を伺ってた。幸せも何もかも捨てて。20年もたった1人で…」
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作者名:mata.nab | 作成日時:2019年11月28日 14時