天然記念物（T.Y）

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後々知った話だけれど裕太のパパは
大手のプリンターを製造する会社の社長らしく

最終的にはそこを継ぐらしい。

と言っても30歳くらいから勉強し始めれば
いいんだ〜なんて呑気なことを言ってる。



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そして今。


『あ、お気を遣わずに。
A、リンゴジュース飲みたい』



「セルフサービスとなっております。」


『そこのお菓子取って』


「セルフサービスとなっております。」


『もうA嫌い』


と、嫌々ながらに冷蔵庫を覗き、
昨日裕太が買ってきたリンゴジュースを自分で注ぎ、

昨日裕太が買ってきたお菓子を自分で取り
所定の位置であるソファに戻る彼。



『ねぇ、リンゴジュース昨日１杯しか飲んでない』


「さようでございますか」


『でももうこれが最後の１杯』


「ん〜１日でだいぶ蒸発してしまったようだね」


『うん、Aの冷蔵庫の中には太陽光かなんか
付いてるのかなーフシギダナー。』


「そこは私も疑問視していたところだ」


『お前だろ』


「ごめんなさい」


『ん、次はオレンジジュースがいい』


「かしこまりました」





この空気感、嫌いじゃない。



むしろ好きである。




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