PIERROT (ページ30)

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あぁ、もう限界。

部屋を飛び出して

トイレへ急いでいると

急に視界が真っ暗になって

足に力が入らなくって

床に打ち付けられるのを覚悟して、

反射的に目を閉じて、身構える。

でも、予想していた痛みは

いつまで経っても訪れなくて

目を、ゆっくり開くと

嗅ぎなれた香水の匂いに包まれていて。

岩「お前、… ______

ふざけんなよ、_______ 。」

頭も痛くて、気持ちが悪くて

身体に力も入らないし、

もう、何言ってるかもあまり聞き取れない。

それでも、

照が俺に怒っていることだけは

まわらない脳でも理解出来た。

…ごめんなさい。

また呼吸が苦しくなる感覚。

やばい、と思った時にはもう遅くて。

佐「や、ぁ … げほｯ」

離れなきゃ。

照は怒っている。

こんなんじゃ、迷惑しかかけていない。

もっと嫌われる。

見放されたら、俺 ______ 。

視界も思考も、ついでに胃の中も

ぐちゃぐちゃに掻き回されている気分で

佐「ゃば、きもちわるｯ」

照の服だけは絶対に汚せない。

照の腕から抜け出して、

走ろうとしたけど、

足に力は入ってくれなかった。

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