レッド・ローズとカクテル 3 ページ23
「門限を破るのはどんな気分?シンデレラ」
仮面を外して、にこりと笑ったフェリシアーノ。
さっきとは打って変わって、
黒手袋をしてネクタイを締める彼が座るのは、
背後に煌めくガラスを反射するカウンター。
どうやら、バーに連れてこられたらしい。
「ルビーはどこなのかしら?」
「兄ちゃん、どこにやったの?あれ」
裏から出てきたもう1人の青年。
外見はそっくりだ。
「俺の双子の兄ちゃん、ロヴィーノだよ」
「お会いできて光栄だ、ベッラ」
手の甲にキス。
双子はやることが変わらないな。
「ルビーだが、言うはずねーだろ。
彼女にまた危険な盗みをさせるなんてできない」
ん?
「あの…もしかして」
彼らはカウンターに座りながら(なんてお行儀が悪い!)、足を組んで目を細めた。
「うん♪とっくに知ってるよ。
君があのルビー狙いの怪盗だってことくらい」
あああやっぱり!
あのカフェでの作戦がまずかったんだ!
「それでさ、俺たちが君を盗ってきた訳だけど」
私はそれまで、後ろをみていなかったのだ。
「その美貌を怪盗にとどめておくには勿体無い。
是非、俺たちの店で働いてくれ」
双子の合図でパッと何かがライトアップされ、
私は焦って振り向いた。
「_____『歌姫』として」
私達の下には、
無数の客席が。
そして、
舞台にはスタンドマイクが一本立っている。
「今俺たちがいるのは、三階席のバーだ。
ここでお客さんはドリンクを頼んで、席についてショーを楽しむ形式になっている」
「…キャバレー?」
2人は目を合わせて、クスリと笑った。
「まさか。そんな下賎なものじゃないよ」
「バーの雰囲気をさらに良くするには、
音楽が必要だからな。ジャズなんて高くて雇えねーし」
だから、私を雇うということ…?
「さ、もうすぐ開店だよ〜。これドレス」
「さっきのじゃ動きづらいだろうからな」
私は丈の短い真っ赤なドレスを渡された。
い、家でだってこんなの着たことないのに。
「ままま待って!私、歌なんて…」
「え〜?」
フェリシアーノは笑うと、私に顔を近づけた。
「 君の一族は、
カモフラージュとして音楽もカバーしてたっけ。
だとしたら、
やったことないなんて…ねえ?」
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奏理奈(プロフ) - 元気そうで良かったです(*^^*)次の更新を楽しみにしてます! (2017年12月29日 18時) (レス) id: ea9afaeba3 (このIDを非表示/違反報告)
とと(プロフ) - 奏理奈さん» ありがとうございます!忙しいのですがなんとか時間を作って来れています(っ´ω`c)コメントありがとうございます〜! 奏理奈さまもお体に気をつけてくださいませ〜(*´`) (2017年12月29日 0時) (レス) id: c40f552dcf (このIDを非表示/違反報告)
奏理奈(プロフ) - 最近更新早いですね!嬉しいけどお身体にきおつけてください(*^^*)ここで止められると続きめっちゃ気になります! (2017年12月28日 18時) (レス) id: ea9afaeba3 (このIDを非表示/違反報告)
奏理奈(プロフ) - 久しぶりにアーサーメインですね!ルート導入による先のてんかいが楽しみです!更新頑張ってください(*^^*) (2017年12月27日 20時) (レス) id: ea9afaeba3 (このIDを非表示/違反報告)
とと(プロフ) - めりかなさん» アーサー「おかえりなさいませ、主。こんな時間まで夜更かしして…私と過ごすのを待っていたのですか?ああ、プレゼントはいつもの3倍の賃金で結構ですよ。二人きりで、良いクリスマスにしましょうね?」 (2017年12月25日 0時) (レス) id: c40f552dcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:とと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/hometotop/
作成日時:2017年10月3日 0時