【APヘタリア】その怪盗、見習いにつき。

仮面とカクテル 8 ページ20

どうしよう、このままでは身動きが取れない。

「…あのっ」

「ん？」

踊ってる途中、フェリシアーノという彼がずっとこっちを見てるから恥ずかしいのだけれど…

「私、門限があるので！」

「ヴェ？あっ、待ってよ！」

人々が踊る中、私は握られている手を振りほどいて人混みに駆け込んだ。

なんとしても、ライトを消してアーサーに伝えなければ。

「…うわぁ」

菊さんはいまだ踊っている。
大きな貴婦人に圧倒されて、白目を向いています。
ごめんね、菊さん。

「アーサー！」

私は小さく通信に声を当てた。

『…。いかがなさいましたか』

「なに不機嫌になってるの。あのね、これから消灯するからソッチはよろしくお願い」

『…かしこまりました、我が主』

私が返事をして通信を切ろうとすると、
『あ、ひとつだけ』と引き止められた。

『どんなことがあっても、
この俺が必ずお迎えに参ります。


____くれぐれも、良い子でお待ちください』

「え？どういう…」

ブツっ。切るの早。

アーサーの一人称が崩れる時がたまにあるけど、
それって____

それに、

「良い子…？」

どういうことなんだろうか。

『A！A！』

「アル！？ごめん！」

『なんでさっきから通信が繋がらないの！？
ライトは俺たちが消すから、戻っていいよ！』

「り、了解！」

うう、あの青年の元に戻るのは気がひける。

少しバルコニーに出て風に当たろう、

そう思った時だ。


フッ、と電気が消えた。


行動早いなあ、双子は。
2人いるからかな？

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