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仮面とカクテル 6 ページ18

「流石、伊達に貴族を名乗っていないですね」

白い手袋をはめ直すと、
菊さんは綺麗な黒髪を揺らしそう言った。

私達はダンスが一通り終わると、バルコニーに出た。夜風が気持ちいい。

「っはぁぁぁあ…。ダンスなんて何年ぶりかしら」

貴族らしく。
それが家のモットーであったから、一通りの作法やマナーは教えられた。

逆に経験のない菊さんが何故あんな軽やかに踊れたのか不思議なくらいです。

「アル達から通信が入ってこないですね」

「ええ。どうやら苦戦しているようです」

中に目を見やると、双子の元には、
踊りたいとせがむ何百ものマダム達が。

無駄に顔だけは良いからなぁ。

「通信だけしてみましょうか。

…あー、てすてす。アルフレッドさん、マシューさん、ご無事で?」

私の耳元の小型マイクにも、菊さんの声が響く。

『キ、キクっ!?今このオバサン達から逃げるので精一杯なんだよ!忙しいんだ!』

「…アルフレッドさん貴方、目的を見失っていませんか」

『とりあえず撒いたんだけど、僕たちがまた表に出たら大変なことになりそうな気がして。
今は隠れてます』

じゃあ、あの重ねに重なったマダム達はアルとマシューがいないと知らずにあんな状態に…

『あ、でもルビーと警備の場所はわかったぞ。
ルビーは下調べ通り舞台上真ん中。今は幕が引かれているところだ』

『警備はルビー付近に四方4人。出口に2人。
こんなものですかね〜』

わりとゆるい警備だ。

何故なら、この中の誰も予告状を出していないから。

「…何とも地味な盗み方ですね、本当に」

菊さんの言う通り、計画では人前に姿は現さない。
さっさと盗んでさっさと帰る。
それが私達流のやり方。

アル達は違うのがあったみたいだけど…

「Aさん?今の、お聞きになられてました?」

「へっ?あ、す、すみません!」

駄目だ。集中しないと。

「私達がライトを消しに行きます。お二方に場所は教わりましたので。そうしたらアーサーさんにお願いしましょう」

「わかりました」



そういえばアーサー、
一回も通信に入ってきてないなあ…

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奏理奈(プロフ) - 元気そうで良かったです(*^^*)次の更新を楽しみにしてます! (2017年12月29日 18時) (レス) id: ea9afaeba3 (このIDを非表示/違反報告)
とと(プロフ) - 奏理奈さん» ありがとうございます!忙しいのですがなんとか時間を作って来れています(っ´ω`c)コメントありがとうございます〜! 奏理奈さまもお体に気をつけてくださいませ〜(*´`) (2017年12月29日 0時) (レス) id: c40f552dcf (このIDを非表示/違反報告)
奏理奈(プロフ) - 最近更新早いですね!嬉しいけどお身体にきおつけてください(*^^*)ここで止められると続きめっちゃ気になります! (2017年12月28日 18時) (レス) id: ea9afaeba3 (このIDを非表示/違反報告)
奏理奈(プロフ) - 久しぶりにアーサーメインですね!ルート導入による先のてんかいが楽しみです!更新頑張ってください(*^^*) (2017年12月27日 20時) (レス) id: ea9afaeba3 (このIDを非表示/違反報告)
とと(プロフ) - めりかなさん» アーサー「おかえりなさいませ、主。こんな時間まで夜更かしして…私と過ごすのを待っていたのですか?ああ、プレゼントはいつもの3倍の賃金で結構ですよ。二人きりで、良いクリスマスにしましょうね?」 (2017年12月25日 0時) (レス) id: c40f552dcf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:とと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/list/hometotop/  
作成日時:2017年10月3日 0時

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