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残された一つの手がかり ページ8

横山side


「____…!…コ!ヨコっ!」



焦ったように俺を呼ぶ、もう耳に馴染んだその声。

ずっと二人三脚で歩んできた其奴の焦り声に、俺はゆっくりと目を開けた。


「っ…ひ、な?」

「良かった…大丈夫か?」

「おん、」


いつもよりも水分を多く含んだ目を向けるヒナが差し出す手を借りて起き上がる。

そうすれば、パサリと音を立てて俺にかかっとったタオルが落ちた。


「これ…」

「Aがかけとってくれたみたいや。あれから2日たっとんねん」

「2日!?」

「おん。ヤバイ思てとりあえずマネに連絡しよったけど、オフになっとってん」

「全部アイツが仕込んだっちゅうことか」

「みたいや。それに、あのサカモトゆう奴の話からしたら、アイツが決着つけるん明日やで」

「ッ…それまでに探さなあかん」

「分かっとる。取り敢えずコイツら起こさな始まらんやろ」


そう言って周りで寝とったメンバーを起こし始めるヒナ。

全員にタオルがかかっとった。



____笑っとってな。お願いやで


ふわん、と笑うアイツの顔が鮮明に浮かぶ。


「…クソ!」


なんでアイツのことを止められんかった!

アイツは失ったらあかん奴なんにっ!


ふ、とテーブルを見ると、白い封筒とネックレスが目に付いた。

それを手にとって裏を見れば、

「なんで…」

“篠原A”


急いで中身を取り出して、その内容に目を通せば。


「…やっぱりアホちゃうん」


そこに書かれていたのは、覚悟。

そこに残っていたのは、涙の跡。



ロケットペンダントを開くと入っていたのは4枚の写真やった。

俺らと写った写真。

マック達と写っとる写真。

幼少期の頃の大倉との写真。

そして、________。



いつの間にか全員起きとって。

大倉が涙を流しながら悔しがる姿が見えた。


こんなことしとる暇なんかない。
早よアイツを見つけ出して、一発怒ったらなあかんねやから。


「これ読んでアイツのことを探しに行くで」


メンバーの目が俺の方を向く。


「俺らは8人揃って最強で最高やねんから」


希望がまだあるのなら。

俺らに残されてるんやとしたら。

諦めるわけにはいかんねん。



残された一つの手がかり

(またみんなで笑い合うためには)

(お前の笑顔が必要やねん)

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もも - はじめまして、いつもとても楽しませて頂いていました。続き楽しみにしています。いつまででも気長に待ってます。ゆっくり、無理なさらず、ご自分のペースで頑張ってください!! (2019年12月8日 14時) (レス) id: e553bc82f3 (このIDを非表示/違反報告)
さすけん(プロフ) - 初めまして、いつも続きを楽しみに読ませていただいています。途中のトムの手紙のところで号泣し、最近は更新ごとに泣いてます。次の更新をいつまでも待ち続けるので、無理しない程度に頑張ってください!風雅さん大好きです。これからも応援しつづけます!! (2019年12月3日 23時) (レス) id: 3cfe6e774f (このIDを非表示/違反報告)
風雅(プロフ) - みけねこさん» みけねこ様初めまして。コメント頂きありがとうございます。貴重なお涙を頂いてしまったとのこと、本当にありがとうございます。そう言って頂けて嬉しいです。ファントムと彼等の想いを大切にしながら執筆して参ります。最後までお付き合い頂けますと幸いです。 (2019年11月18日 2時) (レス) id: 4353acba07 (このIDを非表示/違反報告)
風雅(プロフ) - 彩葉さん» 彩葉様、初めまして。コメント頂きありがとうございます。拙い言葉と文で読みにくい箇所も多々あるかと思いますが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです。大倉さんの想いを大切にしながら執筆して参ります。引き続き最後まで何卒よろしくお願い致します。 (2019年11月18日 2時) (レス) id: 4353acba07 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - 初めまして。最初から読ませて貰いました。夢中で読んでました。涙が止まらないお話もあったりして、また更新されるのを楽しみに待ってます。 (2019年11月16日 23時) (レス) id: 5ac0d2c424 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:風雅 | 作成日時:2015年8月1日 0時

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