“夢”の中の“ユメ” ページ6
大倉side
誰かに揺すられる感覚に目が覚める。
ぼんやりとする視界に何度か瞬きすれば、見慣れた天井が見えた。
たぶんここは、テレビ局の楽屋____
「やぁーっと起きた!」
寝すぎやで!って笑う愛しいその声にパッと起き上がれば、ニコニコしながら俺に笑顔を向けてくるアイツがおって。
「ッ…!」
思わず、抱きついた。
なんで、とか
どうして、とか
いろんなことが気になったけど、目の前で、俺の腕の中にコイツがいることが、何よりも嬉しくて。
あぁ、今までのことは全部夢やったんだ、って
悪い夢をずっと見てただけなんや、って
「ちょっ!?たつ!?」
ぎゅー、と腕に力を加えれば、優しく背中を叩いてくれる。
その温もりが嬉しくて
「良かった…」
離したくなくて
ずっと一緒におりたった
なのに…
す、と俺の腕をとって自分から離したアイツに嫌な予感がして。
それでもアイツの顔は俺の大好きな輝く笑顔で。
気づけば周りは真っ白な空間で。
俺の腕から離れたアイツは憎いほどの笑顔でどんどん遠ざかっていくのに。
自分の体は動くことができんくて。
「あかんッ待って___ッ!」
手を伸ばしてもその手は空を切るばっかりで____
「____Aッ!!」
バッと起き上がれば、心配そうな顔と、驚いた顔で俺を見るメンバーがおって。
でも、やっぱり。
その中にアイツの姿は、なかった。
“夢”の中の“ユメ”
(現実でも伸ばされていた手に)
(アイツを捕まえられなかったことに)
(自分への怒りと虚しさでどうしようもなくなりそうや…)
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もも - はじめまして、いつもとても楽しませて頂いていました。続き楽しみにしています。いつまででも気長に待ってます。ゆっくり、無理なさらず、ご自分のペースで頑張ってください!! (2019年12月8日 14時) (レス) id: e553bc82f3 (このIDを非表示/違反報告)
さすけん(プロフ) - 初めまして、いつも続きを楽しみに読ませていただいています。途中のトムの手紙のところで号泣し、最近は更新ごとに泣いてます。次の更新をいつまでも待ち続けるので、無理しない程度に頑張ってください!風雅さん大好きです。これからも応援しつづけます!! (2019年12月3日 23時) (レス) id: 3cfe6e774f (このIDを非表示/違反報告)
風雅(プロフ) - みけねこさん» みけねこ様初めまして。コメント頂きありがとうございます。貴重なお涙を頂いてしまったとのこと、本当にありがとうございます。そう言って頂けて嬉しいです。ファントムと彼等の想いを大切にしながら執筆して参ります。最後までお付き合い頂けますと幸いです。 (2019年11月18日 2時) (レス) id: 4353acba07 (このIDを非表示/違反報告)
風雅(プロフ) - 彩葉さん» 彩葉様、初めまして。コメント頂きありがとうございます。拙い言葉と文で読みにくい箇所も多々あるかと思いますが、最後までお付き合い頂けると嬉しいです。大倉さんの想いを大切にしながら執筆して参ります。引き続き最後まで何卒よろしくお願い致します。 (2019年11月18日 2時) (レス) id: 4353acba07 (このIDを非表示/違反報告)
みけねこ(プロフ) - 初めまして。最初から読ませて貰いました。夢中で読んでました。涙が止まらないお話もあったりして、また更新されるのを楽しみに待ってます。 (2019年11月16日 23時) (レス) id: 5ac0d2c424 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:風雅 | 作成日時:2015年8月1日 0時