45話;恐怖 ページ15
〜沖矢(赤井)side〜
あの時、シャンデリアに潰される彼を
見て、恐怖のあまり心臓が止まり掛けた。
「………ぁ……A……さん?……?」
彼のシャンデリアの下で脱力しているのを見て、収まる様子の無い動悸や吐き気が襲い掛かってくる、
今まで殺して来た人間や明美の
死の姿がフラッシュバックする。
『…っう”』
「っAさん!Aさん!!」
何も考えず彼に駆け寄り彼の名前を叫ぶ、苦しそうに呻く声を聞いた途端体が勝手に動いていた。
彼の手を咄嗟に握る、あぁ、
彼は意外と低体温なんだな…。
こんな形で知りたくなかった。
「Aさんっ、大丈夫です、
すぐ救急車来ますからっ…!」
祈る様に彼を見つめる事しかできない
無力な俺は、とにかく今は嫌いだった、
これ以上大切な人をっ、喪いたくない…!
「大丈夫、大丈夫です…死なない、
死なないでっ、死ぬな…!生きろ…!」
もう自分が何を言っているのか分からなくなって来た、周りの事なんかは特に、彼の事以外何もかもどうでもよくなってしまった。
とにかく今は、
彼を喪いたくないだけだった。
『………お…きや…さん…』
「っAさん!喋らないでくださいっ、
すぐ、すぐ来ますから…!」
『…ぶじ、で…よかっ…た…』
「!!」
彼は…A君は…何を言っているんだ…?
君が俺を庇わなかったら…そんな怪我
しなくて済んだのに…俺のせいなのに…
『おれは…しななぃ…へーきだから…
……おちついて』
元々美しく白い肌が更に白くなった
青ざめた顔で笑って、それだけ言って…
顔を伏せる様に項垂れた。
「(……彼は…何と言った…?)」
何を…言った?
情けない!情けない情けない情けない!!
何故俺は何もできない!!何もしてやれない!!応急処置はできない状態、頭の怪我は下手に触ると膿んでしまう可能性大、何もできなくて当然、だが!
「(悔しいっ…!!)」
悔しかった、おちついて、と掠れた震えた声で言われて気が付いた、気が付いてしまった。
「(俺は、無力だ)」
体力、格闘術、スナイプ、勉強、
俺は大体の事は何でもできた、
なのに、この場ではそれらの力は
何の意味を成さなかった。
だからおれは、かれにいわれたとおり
おちつくことしかできなかった。
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ポテト - 主人公が赤井さんに起こる場面のセリフ「おきやぁ!」が「おぎゃぁ!」に見えてしまって吹きました笑 小説面白いです!頑張ってください! (2023年1月26日 20時) (レス) @page18 id: 1c2bcbd3b2 (このIDを非表示/違反報告)
Tyrant(タイラント)(プロフ) - みねさん» えー、一分曲だと思うんですけど、【すりぃ】さんのですよ?後ありがとうございます! (2021年2月27日 11時) (レス) id: 8824dda887 (このIDを非表示/違反報告)
みね - あの〜、今更ですけどエゴロックって3分ぐらいあると思います。後最高でした! (2021年2月26日 7時) (レス) id: 020e8c48d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Tyrant(タイラント) | 作成日時:2020年3月23日 23時