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第45話 適う ページ45

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誰もいない屋上。

そこで一人、壁に寄りかかって膝を抱えた。




可愛くて、愛嬌もあって、人気者じゃなきゃ、修也には釣り合わない。

そうじゃなきゃ、許されない。

認められない。


そういうこと……?



だから私には、何を言ってもいいって?そういう話?


白い目で見てもいいし、面と向かって悪口を言ってもいい。

“コレ”呼ばわりも、わざとぶつかることも許される。



それなのに、私の方は許されないんだ。


なにそれ。

私の気持ちは……?




ぎゅっと瞑った目から、涙があふれ出した。



騙してなんかないのに。

好きなだけなのに。

こんなにも好きなのに、それだけじゃダメ?



「……っ……ふ……っう……」



歯を食いしばっても、涙がポロポロと零れた。


そんなこと考えないで、無視してればいいだけだ。

わかってる。

わかってるけど、苦しかった。









その時、バタンと大きな音をたてて、扉が開いた。




「……修也……どうして」


びっくりして、思わず立ち上がった。






「……試合、まだ途中でしょ?修也が抜けたら、迷惑がかかるっ……」


修也が私の前に来て、親指で私の涙を拭った。




少し怖い目をした修也。思わず、息が詰まった。



黙っていると、修也はゆっくりと私を抱きしめて、トントンと、一定のリズムで私の背中を撫でた。



「A」


修也の声を聞いた途端、また視界が滲んだ。




「……修也。私、修也のことが好きだってだけじゃ、ダメなのかな……」


泣かないようにしようと思えば思うほど、声が震える。


「修也はかっこよくて……モテるから、私みたいなのじゃ相応しくっ……」




「A……!」


修也は抱きしめていた腕を解いて、私の両肩に手を置いた。

第46話 だけ→←第44話 毒



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pomme(プロフ) - 豪炎寺修也推しさん» いつもありがとうございます!ゆるゆる頑張ります(^v^) (2020年4月24日 23時) (レス) id: d65527bd76 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - 真っ赤な空の下でから来ました。ここまで読んだだけでわくわくどきどきが止まりません!pommeさんのペースで頑張って下さい! (2020年4月24日 20時) (レス) id: e2e58e1092 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pomme | 作成日時:2020年4月19日 10時

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