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第21話 選択 ページ21

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そして、今に至ると。



出番が来るまで並んで座ってるんだけど、何せ視線が痛い。


『あの人誰?』『豪炎寺くんのペアあの子なの?』『私の方がぴったりなのに』的な、ちょっと悪意のある視線がね。



「豪炎寺くんさ、ほんとに私でいいの?」


「今ここで嫌ですって言っても変えられないだろ?」


たしかにそうだ。みんなそれぞれのペアで練習してきたし。


「そうだよね」


「それに、俺はA以外と組む気は無いからな」


「何それ、嬉しい」


そんなこと言われるとは思ってなかったから。嬉しいけど恥ずかしい。

豪炎寺くんは、こういうことを照れないでサラッと言うから、ドキドキしてしまう。

本人はきっとそういうつもりは無いと思うけど。

聞く人が聞いたら、勘違いすると思う。





「A、鬼道と何かあったのか?」


豪炎寺くんが突然、そう切り出した。


なぜか、ドキっとした。豪炎寺くんからこういう話題に触れられるとは思っていなかったから。


「……何で?」


「昼休みに木野の声が聞こえて」



「秋か〜。わかる、秋って声大きいもんね」


「で、何があったんだ?」



秋の声量の話題で乗り切れるわけもなく、ちゃんと本当のことを言わなきゃいけない空気が流れる。





「あのね、鬼道くんに好きだって言われたの」


そう言うと、豪炎寺くんは『……そうか』と言って、黙ってしまった。

なんか気まずい。




「返事は、したのか?」


しばらくの沈黙の後、豪炎寺くんが訊いた。


「ううん、まだしてない。どうすればいいかなって悩んでる」


「Aの……、したいようにするのが一番いいと思う。Aが幸せになれる選択を、な?」


「そっか、そうだよね」

第22話 想う→←第20話 Shall We Dance?



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pomme(プロフ) - 豪炎寺修也推しさん» いつもありがとうございます!ゆるゆる頑張ります(^v^) (2020年4月24日 23時) (レス) id: d65527bd76 (このIDを非表示/違反報告)
豪炎寺修也推し - 真っ赤な空の下でから来ました。ここまで読んだだけでわくわくどきどきが止まりません!pommeさんのペースで頑張って下さい! (2020年4月24日 20時) (レス) id: e2e58e1092 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pomme | 作成日時:2020年4月19日 10時

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