第52話 察しの通り ページ3
．
そういう関係になってから、ひとつわかったことがある。
影山くんが私を“A”と呼ぶタイミング。
それは、良い感じの雰囲気になったとき。
その一択だ。
“A”じゃなくて、“A”って呼ばれたとき、私の心臓は自分の意思とは関係なく、トクリと柔らかく跳ねる。
そして、突然訪れる、影山くんの甘い雰囲気にドキドキして、胸がギュッと苦しくなる。
彼は、きっとそれに気づいてるから、好きなように私を弄びます。
意識させるどころか、意識させられてばかりだ。
でも……、うん、そういうのも悪くないかなぁって思って、『ね、敵わないでしょ？』って笑ってみせた。
熱くなった頬を、夏の日差しのせいにして。
そのとき、私たちじゃない誰かの、驚いた声が聞こえた。
「あっ、えっ？もしかして、君たちってそういう関係？」
影山くんの頭に手を乗っけたまま、声のする方に顔を向けた。
「えっ、黒尾さん……？」
「その手、その感じ、絶対そうだよね？まじ？」
ニヤニヤと意地悪そうに口角を上げながら、黒尾さんが近づいてくる。
思わず影山くんと目を合わせた。
さっきまでの甘い空気が嘘みたいに、気まずさが辺りを包む。
『や…、あの……これは…』と、手を離そうとした。
すると影山くんは、私の手をグッと引いて、ダルそうに咳払いした。
そして、嫌な笑みを湛えたまま腕を組む黒尾さんに、堂々と言い放った。
「そういう関係っすけど、何か問題あります？」
「ふはっ、怖〜。そんなに睨まれたら、俺が悪いみたいじゃん」
黒尾さんがケラケラと笑いながら、口元を片手で覆う。
どんな顔してんの？と疑問に思って隣を見ると、深〜く刻まれた眉間のシワをピクピク震わせながら、すんごい怖い顔してた。
「ぷっ、影山くん、その顔はっ……」
「あ゛？」
少し笑ったら、私までめちゃくちゃ睨まれた。
それなのに、繋がれた右手から伝わる体温はとても優しくて、ちょっとウケた。
情緒不安定すぎるって。
「Aちゃん睨んじゃダメでしょ」
「ですよね？」
「……うるせぇ」
そう言いながら、影山くんは再び黒尾さんを睨みつけた。
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pomme(プロフ) - riさん» ありがとうございます〜！！🫶🏻 (2022年5月21日 16時) (
レス) id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
ri(プロフ) - 最高でした〜〜🥲💗💗💗 (2022年5月21日 10時) (レス) @page50 id: d86ac26d68 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(プロフ) - 黒猫。さん» いつもありがとうございます！！！黒猫さんの熱超ヤバいし、嬉しすぎるし、ありがたいしで狂っちゃう！もうほんと、マジありがとうございます🫶🏻🫶🏻頑張ります〜！ (2022年5月6日 20時) (レス) id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
黒猫。(プロフ) - うわああああ!!…わあ。語彙力吹っ飛びました!!もう！好き！コメ欄が黒猫ばっかになってすみません本当に！愛が溢れてまう…!!とりあえず主様を神と崇めさせていただいてよろしいでしょうか!!かっ…げやまぁ!!完結まで応援しますわ…影山との恋の行方を見届けます！ (2022年5月5日 20時) (レス) @page42 id: abf8c53ec1 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(プロフ) - 黒猫。さん» ありがとうございます！！！嬉しすぎて、もう泣いちゃう！！素敵なありがたすぎるお言葉、何度も読み返してニンマリしてます……🫶🏻いい夢見れそう… (2022年4月11日 23時) (レス) id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：pomme | 作成日時：2022年1月20日 23時
