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第05話 特別なひと ページ5







「お…王子様……」




日向が呆気に取られたように一瞬ポカンと口を開けて、すぐにプッと吹き出した。

「Aさん違うよ!こいつ、王子様じゃなくて“お・う・さ・ま”」



「日向うるせぇ。黙ってろ」




二人の声が聞こえてるのに、まるで耳に届かなくて、放心したようにただそのやりとりを見つめてた。


ぼんやりとした意識の中でも、彼が“王子様”だということだけは確かだった。















遡ること、6年前。

私の記憶が正しければ、小学校4年生のころ。






影山飛雄は異質だった。


もちろん悪い意味じゃなく、尊敬と羨望の眼差しを一身に集めるという意味で。


小学生にとって、運動ができて足が速いというのは一種のステータスで、それだけで誰でも一目置かれる存在になれた。


にもかかわらず、彼だけは飛び抜けてものすっごいオーラを纏ってた。

大人っぽい雰囲気、端正な顔立ち、彼を包む全てが何かこう、特別だった。


小学生の分際で“すごいオーラ纏ってる”とか言っちゃうの、今思うと超ヤバいけど、当時はほんとに心からそんな風に思ってた。






ある日、そんな彼と隣の席になった。


思ってた通り、影山くんは口数が少ない。リアクションも薄いから何考えてるかわかんないけど、何かそれすら彼っぽくてかっこよかった。

どこまでも特別で、不思議な感じ。




隣の席だからって特別なことがあるわけもない。淡白で生ぬるい日々に身を任せた。

第06話 秋の運動会→←第04話 ごあいさつ



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pomme(プロフ) - 読み専さん» コメントありがとうございます!!頑張らなきゃ! (2021年12月31日 20時) (レス) @page39 id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
読み専 - え、続き読みたい…更新待っております!! (2021年12月31日 11時) (レス) @page42 id: 0067091e87 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(プロフ) - 蜜柑🍊さん» そうなんですwwめちゃくちゃ地味なところに謎のこだわりを詰め込んでます😎ありがとうございます!頑張ります!! (2021年11月21日 23時) (レス) @page35 id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑🍊 - あと、今更気が付いたのですがタイトルの付け方もお洒落で、全部5文字になっているんですね😄応援してます! (2021年11月21日 22時) (レス) id: e3fbbedd51 (このIDを非表示/違反報告)
pomme(プロフ) - 蜜柑さん» ひえぇ!嬉しい…!褒められ慣れてないのでソワソワしちゃいます🥺密柑さん、もうほんとめちゃくちゃありがとうございます! (2021年11月9日 20時) (レス) id: 13950c2c2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:pomme | 作成日時:2021年9月20日 23時

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