ペテン師 Hokuto.M (ページ4)

今日:25 hit、昨日:26 hit、合計:64,624 hit

04 ページ4

.

Aちゃんが帰った後、俺もシャワーを浴び大学へと向かった。

昼からとはいえ、二日酔いのまま授業を受けるのはキツイ...

なんてことを考えながらキャンパス内を歩いていると、見慣れたヤツが目に入った。

樹「おー、北斗じゃん。」

なんともタイミングが悪い。

今日は授業が被らない日だから会わなくてすむはずだったのに。

「あれ？樹、昼までじゃなかったのかよ」

樹「あーー、
そうなんだけどちょっと予定があって....ってそうじゃん。

もう直ぐ来るから会ってけよ。」

嫌な予感、

というものは大概当たるもので樹が向いた方に目をやると、

今朝俺の家を出て行ったAちゃんがこちらにやってきていた。

俺の存在に気づいたAちゃんは一瞬目を見開いたけど、すぐに冷静を取り戻した。

樹「A、こいつ俺のダチ。
んで、こっちが俺の彼女ね」

樹はと言うと、

なんか2人が初対面とか変な気するわ～～！

なんて楽しげに話している。

「初めまして。松村北斗です。」

『初めまして、Aです。いつも樹からお話は伺ってます。』

"初めまして"

今朝、共に朝を迎えた2人には似つかわしい言葉。

樹「なんなの、なんでそんな2人して他人行儀なんだよ～！笑

A！
北斗人見知りだから悪いやつじゃねぇし！」

「余計なお世話だっつうーの笑」

『聞いてはいたけど、本当仲良いね笑』

樹「そりゃまぁ、中学からのツレだしな！」

共に過ごしてきた年月を片手で数えられなくなった今になって、

こんな樹に気まづいという感情を抱くことになるとは思わなかった。

ってのが本音。

長年の付き合いだからこそ言えないことだってあるんだよ。

「腐れ縁だよな笑」

樹「そういうこと笑

あ、そうだ。北斗今日飲みに行こうぜ」

『え、樹。私と行くんじゃなかったの？』

樹「わーってるって！

仲良くなってほしいし、北斗も来たらどうかなぁ～と思ったの！

我ながら天才！」

何も知らないこいつは、本当に呑気。

知らぬが仏とはまさにこのことだ。