１話 この世界は ページ4
程なくして徐々に落ち着き、人がまばらになってきた交差点から慌てて離れようとする。
いつの間にか、手には愛用のバッグ。
記憶が正しければ、たしか俺は、明日始業式だから寝ようと、ベッドに入って寝たはずだ。
寝間着であることを期待し、自分の服装を見る。
が、そんな淡い希望は打ち砕かれた。
俺の格好は、およそ寝間着とは程遠いような、そしてまた、愛用している私服であった。
『…どこだ、此処』
とりあえず、交差点から離れ、たまたまあったベンチに腰かける。
そして、バッグの中身を確認して、驚愕する。
《何でここに…》
そこには、俺が心の怪盗をしていたときの最強装備一色と、自分の通帳、判子、
潜入道具類と回復薬などが入っていた。
獅童に吹っ掛けられた冤罪から始まり、とんでもなく勝機が薄く、理不尽なゲームに巻き込んできた偽神を打ち倒し、世界を救ってからはや１年がたった。
いや、本当に濃かった１年。
大方の予想はついている。また、あの偽神に巻き込まれたのであろう。
『だからって、異世界とは思わなかった…』
いくら俺の【ライオンハート】でも限界はある。
久々に、心の底から驚いた。
《でもなぁ…異世界はあのとき消えたよな？》
『そのはず…なんだけど…』
そして先程からちらほら聞こえてくる【個性】という単語。
どうやらこの世界では違う意味にとるらしい。
俺は歩道橋を渡る。スマホで地図を確認しつつ。よかった。この世界の地図入ってて。
そのときだった。
「きゃあー！ヴィランよー！」
『(ヴィラン…？)』
慌てて身を乗り出すと、そこには異形のドロッとしたなにかが、女の人に刃物を突きつけているところだった。
『…シャドウ、か？』
《…わかんないな…でも、》
『わかってる。助けよう。』
《それでこそAだ！》
『じゃあ、行ってくる。』
《っておい〜！？歩道橋から飛び降りる馬鹿いるか！？本末転倒だって‼️》
その瞬間、俺を、懐かしい青い炎が包んだ。
《ッ！》
懐かしい黒服にドミノマスク。
『It's showtime ！』
俺は仮面に手をかけた。
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滅月(プロフ) - エイスケさん» ありがとうございます。今日ちょっと更新したので、読んでくれると嬉しいです。 (2019年12月16日 3時) (
レス) id: 4974b593df (このIDを非表示/違反報告)
エイスケ(プロフ) - 更新待ってます (2019年12月8日 2時) (レス) id: a9f17d6973 (このIDを非表示/違反報告)
滅月(プロフ) - 人形師さん» ありがとう…ございます…全然更新できなくて申し訳ないです…pixivでも刀剣乱舞書いてるのでよかったら (2019年7月26日 2時) (レス) id: 0b47fc3e16 (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - 好きな作品があったので読んだら凄く面白いです！続き待ってます！ (2019年7月25日 19時) (レス) id: 05191dc1a4 (このIDを非表示/違反報告)
滅月(プロフ) - 雪羅さん» あっあっありがとうございますぅ！？ (2019年7月11日 6時) (レス) id: 0b47fc3e16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：滅月 | 作成日時：2019年2月25日 22時
