26 ページ26
.
「ビールおかわりで」
「ペース早」
俺の横に座ったAは、着いて早々生中を一気飲みし、次にくるビールが三杯目。
「来週からクランクインする映画の衣装合わせで一日中スタジオに缶詰めだったんですよ。ご飯もろくに食べてなくてめっちゃお腹減ったんです！」
そう言ってAは肉を頬張り、おいしー！と笑顔になる。
その笑顔を見てると、こっちまで嬉しくなって。
視線を感じて前を見ると、潤くんがニヤニヤしながら俺を見ていた。
「てか私何で呼ばれたんでしょう」
「いや、若いパワー吸い取ろうかなって」
「潤くんも若いじゃないですか」
「紫耀、俺もう35だよ？」
「えっ、そうなんですか！？」
「いやお前先輩の歳くらい覚えとけよ」
俺たちのやりとりを見てケラケラとAが笑う。
大好きな人たちと美味しいご飯を食べる。
最近溜まっていた疲れが一気に吹っ飛ぶようだった。
「次ハイボール飲んでいいですか？」
「A飲みすぎじゃね？」
「だーいじょうぶだって。明日私午後入りだし」
「おー飲め飲めー。明日のことなんて気にすんなー」
「ちょっと潤くん！煽らないでください！」
.
数十分後、Aは机に突っ伏していた。
「うー飲みすぎた…」
「だから言ったじゃん」
「俺こいつが潰れてんの初めて見たわ」
「そうなんですか？」
「酒は相当強ぇからな、こいつ。相当疲れ溜まってんのかもな」
そろそろ帰るか、と、潤くんが帰る支度を始める。
俺よりAのことを知っているような口ぶりで話す潤くんに、正直嫉妬した。
「タクシー二台呼んでもらうわ」
「あ、俺こいつ送って行きます。家知ってるし」
「何、やることやってんじゃん」
「まだ何にもやってないです！」
「まだって。まぁいいけど、撮られんなよ。俺がジャニーさんに怒られるんだから」
「気をつけます」
ちょっと待ってて、と潤くんが部屋を出る。
「A大丈夫？立てる？」
「立てない」
「もー」
口では呆れているものの、内心はまだAと一緒にいられることが嬉しかったりして。
そんな俺の気持ちに、Aは気づいているだろうか。
「お待たせ、タクシーきたわ。A立てる？」
「……」
「寝てますね」
「…紫耀、あとは頼んだ」
「はい」
俺はAをお姫様抱っこして、タクシーに乗り込んだ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 629人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
a(プロフ) - コアラさん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年1月21日 17時) (
レス) id: e68ce683f6 (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - るるるさん» ありがとうございます！嬉しすぎます。。更新頑張りますね！ (2019年1月21日 17時) (レス) id: e68ce683f6 (このIDを非表示/違反報告)
コアラ - 続きがとても楽しみです！頑張ってくださいね (2019年1月21日 16時) (レス) id: 4ddbf6bb99 (このIDを非表示/違反報告)
るるる(プロフ) - いつも拝見させて頂いております。こんなに面白くてワクワクして続きが気になる作品に初めて出会いました。いつも更新楽しみにしております！ (2019年1月16日 15時) (レス) id: e03c1e5a40 (このIDを非表示/違反報告)
a(プロフ) - 叶恋さん» わー！嬉しすぎて泣きそうです！ありがとうございます！頑張りますね。 (2019年1月13日 22時) (レス) id: e68ce683f6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：a | 作成日時：2018年9月11日 23時
