ディアハイヒール (ページ2)

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向井side

「おはよ、康二」

向「あ、Aちゃんやん！おはよ～」

柔らかな髪を揺らして、教室に入ってきたAちゃん。

……実は、俺の初彼女やねん。

今日もホンマに可愛いなぁ。

「ねぇ聞いてよ、生意気な後輩の話！」

向「あ。誰やっけ、翔太くん？」

「そうそう！」

最近、ようAちゃんの口から出てくる"翔太くん"。

どうやら同じ部活の後輩らしいねんけど、Aちゃんの彼氏としては放っとけんな。

いつか会ってみよう。

「朝っぱらから『Aセンパイ』呼びだよ？絶対私のことバカにしてるよ」

……そう思ってんねんなら、何で嬉しそうな顔するん。

翔太くんの話するとき、いっつも笑顔やん。

どうせ、好きなんやろ？

俺にだけは嘘吐かんとってや。

……なんてな。

こんなことで嫉妬する俺って、器ちっちゃいんかもしれんけど。

「あ、そういえばさ。今日一緒に帰れる？」

向「ふぇ？」

むっちゃアホらしい声出たな笑。

やべ、マジで恥ずいやん。

もうノリで行こか。

向「俺はいつでもウェルカムやで！」

「さすが康二、笑。じゃあ放課後校門前にいてね」

向「おん！」

その時先生が入ってきたせいで、俺らは席に着いた。

よっしゃ、放課後Aちゃんが来るまでに翔太くんを探さなあかんな。

間違っても、Aちゃんが翔太くんを好きにならんように。