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移動のバンの中で小さく息を吐いたら、カメラの横にいたスタッフさんに「落ち着かれてますね」と言われた。実際はうっすらと変な汗をかき始めている。
「皆さん初めての対面の前は緊張されるんですよ」
「相手がどなたなのかわからないですもんね」
「サラさんは結構落ち着かれてるほうですよ」
「そうですか？こう見えて緊張してますよ。口から心臓が出そうです」
相手の方と対面する時間が刻一刻と近づいている。実を言うと、今日の朝まではそれほど気にしてなかったのだ。実感が無かったという方が近い。音楽番組に向かうバンの中でオンニとユンソにこのことを話し、二人の顔が真っ白になるのを見て、そこでやっととんでもない仕事を受けてしまったんじゃないかと思い至った。
「旦那様とやってみたいことはありますか？」
撮影が始まってから幾度となく出てくる「旦那様」というワードに、妙にソワソワしてしまう。スタッフさんの質問をゆっくりと頭の中で繰り返す。やりたいことかぁ...。
「...デートはしたいですかね」
「デートは当たり前にしますよ」
そう言いながら笑うスタッフさんに、少しだけ顔が熱くなる。
「すみません、あんまりよくわからなくて。恋人同士って何をするのが正解ですか？」
「恋人じゃなくて結婚相手ですよ」
「あ、そうだ。結婚だった」
結婚、ともう一度呟いてみる。慣れない単語だった。本当に私にこの仕事がこなせるのか、ますます不安になってきた。
いくつかのやり取りを終え、バンは映画館へと到着してしまった。
『７番スクリーンに行ってください。しばらくしたら旦那様が来ますので、待っていましょう』
もう一度もらったカード通り７番スクリーンに向かい、指定された座席に座って待つ。私しかいない静かな空間で、それはとても長い時間のように思えた。ガチャリと扉が開く音がするまで3時間くらい待った気分だった。実際には20分くらいしか経っていなかったけれど。
声をかけられるまで振り向くなという指示通り背を向けたまま、後ろから足音が近づくのを感じた。それは一人だと思っていた私の予想を裏切る、複数人の足音だった。
「あれ、」
「えっ？」
「え、まじで？」
真後ろで何人かの戸惑ったような声が聞こえて肩が跳ねる。声をかけられていなかったが、反射的に後ろを振り向いてしまった。だって私はこの声を知っている。
「A！？」
「え、なんで...」
そこには驚いた表情のスンチョルとジョンハンとジスが立っていた。
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ゆび - この作品に出会えてよかった……ありがとうございました………Chocolatちゃんたちの未来に幸あれ……🌸🌸続きが読めないことは残念ですが、またどこかでお会いできる日を楽しみにしております！！ (2022年12月3日 18時) (
レス) @page41 id: b9570136cf (このIDを非表示/違反報告)
smallpeach(プロフ) - 久々に読ませていただきました。この作品本当に大好きです。完結表示が出ていて寂しい気持ちもありますが、ここまで続けていただいてありがとうございました。またお会いできる日を楽しみにしています。 (2022年10月4日 0時) (レス) @page41 id: eabc0d3a73 (このIDを非表示/違反報告)
pn_ba1(プロフ) - こちらのお話はもう更新されないのでしょうか？ (2022年8月21日 1時) (レス) id: d4e59b8d7f (このIDを非表示/違反報告)
yui.(プロフ) - 大好きな作品なので更新とても嬉しいです！これからも応援しています！＾＾ (2021年11月16日 7時) (レス) id: 16bd37e790 (このIDを非表示/違反報告)
ネプコ - とても面白くて一気読みしました！！！興奮が止まりませんwwお忙しいかとは思いますが、体に気をつけて更新頑張ってください！応援しています❣ (2021年10月4日 19時) (レス) @page38 id: 171786c0ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔
| 作成日時：2018年3月22日 18時
