ここにいる【銀魂】第12章

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side貴方







「A」



「ん？」



「……お前も客間がいいか？」







辰馬の文句を全て聞き流し陸奥と話を終えた晋助がそう尋ねてきた。



向けられる視線はまるで別の答えを望んでいるようで、声色は_______いつも甘えてきてくれる時に近い。




自惚れてもいいのかな。


一緒に居たいと思ってくれてるって、思ってもいい？



自然と表情が綻び、私は答えた。





「晋助がいいなら…一緒がいいな」



「…嫌な訳ねェだろ」





優しく髪を撫でてくれる。


その手と返事が嬉しくて頰を緩めると一瞬止まってしまったけど、またすぐに動き心がぽかぽかと暖かくなっていく。





____________一人じゃない



側にいる事を、一緒に居たいと願う事を許してくれる人がいる



その事実が何よりも嬉しい







「…まだ話してるか？」



「全然‼全然気にしなくていいッスから晋助様‼もう夜も遅いッスので‼ね、陸奥‼」



「ああ、わしももう寝る。高杉、一晩世話になる。また子A万斉また明日」



「わしは？」



「おまんに明日はないだろう」



「あはははっ、陸奥はまた面白い冗談を…あの、陸奥？ちょ、ま、高杉助けてぇええぇぇええ!!!!」



「………」






ずるずると引っ張られ手を必死に伸ばす辰馬に、ふい、と顔を背けた晋助。


ちょうどそちら側にいたから見えたけど、口角が上がってる。



銀時とは喧嘩ばかり、小太郎や辰馬のボケには相手してないけど…


ほんとはそんなやりとりが楽しいんだろうなとその表情を見て分かり笑みがこぼれた。



…ら、むに、と片頰を摘まれた。






「……何笑ってやがる」



「ふふ、内緒」



「…もう片頬もされたいか」



「ごめんごめん。…辰馬の事大好きなんだなって思ったの」



「………」



「おひゃひいお？ひんふゅひぇ(おかしいよ晋助)」







正直に話したのに摘まれた。


解せぬ。


すぐにパッと離され頰をさすりながら見上げると僅かに朱色に染まってる耳の先。



何でこんなに可愛いんだろう。




ついまたクスッと笑ってしまうと舌打ちされてしまった。







.






「変なとこ鋭いッスねA...」



「晋助はどこまで素直になれないでござるか」



「あの声で『一緒に寝ないか』なんて言われて多分気絶しないのAだけッスよ」



「側から聞く者は笑い転げて気絶してしまうかもしれないでござる」






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