ここにいる【銀魂】第11章

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side貴方







「ここまでこれば大丈夫かな…」






あの謎の檻から離れて数分。


総子を抱えて走った私は一息ついてると、腕の中の彼から「あの…」と小さく声がかかった。


ん？と顔を見ればあらびっくり。


お顔が真っ赤っかな総子ちゃん。



何に対して赤くなってるのか、それは直ぐに分かり、分かるからこそ、それが可愛く見えてしょうがない。








「は、早く降ろしてくだせェ…！」



「……」








ずっきゅんと射抜かれたハート。



何この可愛いの。



赤いのが私にまで移るのを感じながらも、心にはある感情が芽生える。







「A...？」



「…やーだ」



「エ…」



「もうちょっと総子の照れた顔見たい」



「⁉」



「顔、隠さないで？ちゃんと見せて」



「〜〜ｯｯ!!」









小さく呟かれた「覚えてろィ...」という言葉。


それにふふっと笑い、顔を覗き込む。




ふい、と逸らされちゃったけど、赤くなった耳とかうるむ瞳とか、もう可愛い以外の言葉が出なかった。





ひとしきり堪能した後降ろしてあげればぷく、と片頰を膨らます総子。








「ごめんね？怒った…？」



「……抱きしめてくれたら直りやす」



「…っもー可愛すぎるよ総子！」







どこまで私をきゅんきゅんさせるの…！



いつも以上に子犬化した総子に心臓を持っていかれる。


可愛い可愛いと思いきり抱きしめてると、突然吉原中のスピーカーが鳴り_______









「脱走者が発生、脱走者が発生。女5人に男1人、そして豚1匹______捕らえた者には相応の褒美をやろう。その者達の顔は_______」




「「………」」








ツッキー、マジだ。







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