報告 ページ4
A「お父さん、少し話がある」
次の日の朝、父親にそう告げる。
私が話があるなんて言うことないから大事だと思ったのかすぐに時間を作ってくれた。
「どうしたんだ、Aが話なんて」
いざ言うとなると緊張するな…でも、言わないと。
小さく深呼吸をして改めてお父さんの目を見つめる。
A「私、好きな人がいるの」
「………ほう」
予想してなかったのか少し驚いた後、静かに頷く。
A「その好きな人がね、…岩本なの」
A「私はあの人とこれからもずっと一緒にいたい、この組を支えていきたい」
しんと静まりかえる部屋、息が止まりそうなくらい静かだった。
お父さんの返答を待つ私、手が震えそう。
「…そうか、照か」
お父さんの声は穏やかで、表情も優しかった。
反対されると思っていたから驚いてしまう。
A「怒らないの？」
「怒るわけないだろ、娘の好きな人なんだから」
ドッと肩の力が抜ける。
今までの葛藤はなんだったんだってくらいすんなり認めてくれたな…
「それにな、Aの気持ちには気づいていたんだ」
「俺としても岩本を若頭にしたい気持ちがあったし、辰哉あたりに相談しててな」
き、気づいてたんだ…本当に今までの葛藤返して欲しい…
てか深澤に相談してたって、深澤も全部知ってたってこと？
「まあ誰であろうとお前が選ぶやつがきっと若頭に相応しいと思ってはいたが」
岩本が若頭…てことは結婚するのが…？
でもそのくらいの覚悟で付き合わないとだよね。
「どうせいるんだろ、照」
岩本「…はい、失礼します」
襖を開けて入ってきたのは岩本、ついてこないでって言ったのに…
私の隣に正座をするとお父さんに頭を下げる。
岩本「これからも必ずお嬢を護ってみせます」
「あぁ、頼んだぞ」
頭を上げた岩本が私の方を見たのでよかったねと笑うと微笑み返してくれる。
「照、お前を若頭に任命する」
「立派な組長になるべく精進しなさい」
岩本「っ、はい、ありがとうございます」
再び頭を下げた岩本。
その間にお父さんが私の方を見て、頑張りなさいと口パクで伝える。
私はそれに笑顔で大きく頷いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2587人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みん(プロフ) - monchiさん» ありがとうございます！皆さんが高評価やコメントをくださったおかげでここまで来れました(;_;)私自身も番外編等書きたいと思っているのでその時はまたぜひよろしくお願いします！ (2020年5月29日 16時) (
レス) id: c2c6a86059 (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - ゆきねさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます(T_T)落ち着いた時期にでも番外編や新作を出そうと思ってるのでその時はぜひまたよろしくお願いします<(_ _)> (2020年5月29日 16時) (レス) id: c2c6a86059 (このIDを非表示/違反報告)
monchi(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても素敵なお話でした！お忙しい時期にお疲れ様でした。また機会があれば続編も…と思いますが…。また違う作品でお会いできるのが楽しみです！ (2020年5月29日 8時) (レス) id: 527da994c1 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきね(プロフ) - 完結おめでとうございます！最初にこのお話を出してからずっと好きで毎日更新されるのを楽しみに見てました。お嬢と岩本がくっついて本当に良かったです！こんな時期で忙しいと思いますがお身体に気を付けて頑張って下さい！応援しています！ (2020年5月28日 22時) (レス) id: a55ba5568a (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - Miiii*さん» 最後まで読んでくださって、さらにコメントまでしてくださってありがとうございます(;_;)どんなストーリーにするかなどは割と決まってきているのでいつになるかわかりませんがその時はまたよろしくお願いします<(_ _)> (2020年5月28日 22時) (レス) id: c2c6a86059 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みん
| 作成日時：2020年5月10日 21時
