日向凪/一話 ページ2
ーインターハイ一週間前ー
「よっと！」
昼休み、体育館で一人サーブの練習をする。制服のため動きにくく、汗がシャツを湿らせて不快だ。
打ったボールはネットの上を越えて、相手コートに落ちる。
もう一度打とうと思ったが、ボールを取りに行くのが億劫になり座り込んだ。
「インハイまであと一週間か〜。」
部活は僕自身が生徒会役員という理由で、生徒会のメンバーからの監視はつかない。
僕は監視などはしないため、緊張して取り組んだり、生徒会を恐れて縮こまった行動をすることは少ないが、インハイ前とあって部内に少し緊張感が走っている。
僕と環は確実にスタメンだから、試合に出られないという不安はない。だけど、いつもと少し違う部内の雰囲気は身が引き締められる。
もしかしたら、この期間に上達して僕を越えてくる人が現れるかもしれない。
「ダメだ！練習練習！」
確実にスタメンだなんて、生意気なことは言っていられない。跳ね起きてボールを取りに走りだすと、大きくおなかが鳴った。
「なんだ今のでかい音！？」
「
短い黒髪で、横開きのドアにもたれかかる彼は、
「昼飯食べた？購買でパン買ってきたけどいる？？」
「いいの！？ください！！」
「イケメンからの愛のパンだよ！ありがたく食べるがいい！！」
そう言って、メロンパンを投げる湊。ソフトボール部なのもあって、無駄にコントロールがいい。
「一緒に食べよ！なぎ甘いのでいいんだよな？そうやってだれか言ってた気がするんだよなぁ…違ったっけ！？誰だ！このイケメンに嘘を仕入れたのは！！」
「あってるあってる！甘いの大好きだよ〜〜！」
「はぁあよかった！罪のない人を傷つけるところだった！ごめん誰か！メロンパンあげるから許して！」
彼はいつも面白いことを言う。自称イケメンというのも、ひとりでまじめな顔をしてほうれん草について語っているところも面白い。
「あまって！！遊馬が二人きりで昼ごはんなんて全人類が嫉妬しちゃう！！じゃあね！！」
「え、えええ！？」
そう言って走っていく。まるで嵐のような人だ。
僕も、
「湊にも負けてられねえ！！」
湊が走っていたのを思い出し、負けじと走りだした。
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ペンギンとバタートースト。(プロフ) - MidKnightさん» 表現については、自信がなかったので嬉しいです。オリキャラを褒めていただけたのも本当に嬉しいです…！もっと面白い物語が書けるよう、精進します。 (2023年4月3日 22時) (
レス) id: 7507a04f20 (このIDを非表示/違反報告)
MidKnight(プロフ) - いつも読んでます。表現の仕方がわかりやすいし、オリキャラもとても魅力的で好きです。これからも応援してます。 (2023年4月3日 21時) (レス) @page1 id: 664db18dc4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ペンギンとバタートースト。 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/syouyou-hinata/
作成日時：2022年10月12日 19時
