ページ ページ44
─
｢んで96猫｣
小さな紙袋でブランドの名前が入っていた
去年96猫さんの誕生日に私は、猫の形をしたあの有名な紅を送ったわけだけど
96猫さんから貰ったものを開けるとなんと……なんと……
ちょっとぉぉぉーー
｢なに。なんで閉じるの｣
そらるさんが怪訝な顔をするのも当たり前だ
私の挙動があまりにもおかしすぎた
96猫さんから貰った紙袋を開けるやいなや勢いよく閉じたんだから、不振以外の何物でもない
｢い、いや……これは。返品案件かと｣
｢どれ？見せて｣
｢無理です！嫌です！絶対に無理です！｣
私が頑なに拒否したせいか、そらるさんもムキになって私の手首を掴んできた
それでも私はもう片方の手で持って高く持ち上げる
｢ちょ、なんなんだよ｣
｢ダメですって！私のプレゼントなんです！｣
｢見たっていいだろ｣
｢だーめ！！｣
けど身長的にも力的にも大きな差があるのに、策ない私に勝ち目なんかあるはずなくて
｢のわっ！｣
そらるさんに高くあげていた方の腕を掴まれた瞬間、ソファーに体制を崩した
そらるさんは私の両手を掴んでたはずが、流石の瞬発力でわたしの顔横に腕を着いて、何とか私を潰すことは回避してくれたらしい
いや、この状況をそもそも回避して欲しかったけど
｢なに……そういうことしたいわけ？心配しなくてもこの後するよ｣
｢そうじゃないですよ！どう考えてもこれはそらるさんが悪いじゃないですか！｣
｢Aが頑固なせいだろ｣
確かにそうだけど、元はと言えば96猫さんが悪いのにー！
むぅーっと頬を膨らますと拗ねんなっとおでこを弾かれた
｢拗ねてません。私はもう大人なんです｣
｢じゃー大人のAさん。子供の駄々こねはやめて、その隠してるやつを見せて｣
｢い、いや……それは話が違いますというか｣
｢キス……｣
｢わ！分かりました！分かりました！！｣
こんな状況でキスされた上にこれを見られるなんて溜まったもんじゃない！
観念してそらるさんの意見を汲む
そらるさんの肩を押しながら起き上がって、またさっきの定位置に戻った
96猫さんはなんてものを……
｢見せます。見せると約束するので、最後にしましょう｣
｢……自分でハードル上げてるのわかってる？｣
───
次です！！っと無理やり話を変えて、机に残る最後のプレゼントを受け取った
そらるさんからの物だ
｢開けてみて｣
｢はい｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 474人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うみ(プロフ) - https://uranai.nosv.org/u.php/novel/pearl122636/ (2021年12月3日 0時) (
レス) id: 77005ad5b8 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - ああああさん» いえいえ、良かったです笑 (2020年10月28日 22時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
ああああ - 読めました！本当にありがとうございます！(遅くなってすみません…) (2020年10月28日 21時) (レス) id: f63922dcd6 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - ああああさん» R表示でも無理なら……ウェブの方でURLを貼っていただく他ないようです泣すみません (2020年10月26日 20時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
ああああ - あの、題名とURLどちらをコピペしても見れません…どうすればいいのでしょうか… (2020年10月26日 20時) (レス) id: f63922dcd6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：パール
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pearl12261/
作成日時：2020年7月29日 16時
