625 ページ25
.
｢A様……。A様は動物は好きですか…？｣
夜になると暇を出していたみんながカリナと入れ替えで戻ってきた
おかえりもつかの間、ミラがそんなことを聞いてきた
好き…か
そういう目線で見たことがなかったから改めて考える
｢嫌いじゃないですよ。とても好きです｣
牛も豚も鳥も
うさぎやイノシシだってくせはあるけど美味しい
肉は高級品で、私一人で狩れるのはせいぜいうさぎ1羽が力の限界だ
でもここで出てくる肉料理はとても絶品で、いつの間にか当たり前になっていたけどご馳走そのものだ
｢そうですか。ここの下働きのものが是非A様にと珍しいものを持ってまいりましたので｣
そう言ってミラが持ち出したのはカゴだった
そのカゴは私の机に置かれるなり上にかかっていた布を退かされる
｢アランティラ？｣
｢はい。とても珍しい色ですのでA様に是非にと｣
それは昨日のお昼に私の足元でうろちょろして、あの女の子に返した小動物だった
金のまん丸の瞳が私をじっと見ている
｢これは……貰ってどうすれば良いのですか？
誰かが調理するのですか？それとも大きくなってからですか？｣
｢………食べられるのですか、これを｣
何故か空気が凍ってしまった
私はあれれと数度瞬き
だってこれ動物だよね？
｢食べないんですか？｣
｢アランティラは生憎美味しくないかと思いますよ｣
｢なら毛皮ですか？｣
｢……アランティラはこれ以上大きくならないですよ｣
｢……ではなんのために捕まえたのでしょう｣
美味しくないものを取ってきて、しかもこんな小さくて毛皮をとったとしても大した量にもならないこれを、私はどんな理由があってこれをプレゼントされたんだ
｢A様は観賞用の動物をご存知ないのですか……？｣
観賞用？
なにそれ。
そんなの知らないよ
動物っていったら鮮度第一。捕まえたら直ぐに食べる。
それ以外はむやみに殺さない捕まえないがルールじゃないの？
｢貴族でも余裕のある家では観賞用などの目的で動物を飼うのです。
それで最も人気があるのがこのアランティラなのですが、この動物は毛並みの色が暗い種が多いので見つけずらく希少なのです。｣
でも目の前にいるこれは真っ白である
キュゥと小さな声で鳴いた
確かに改めて違う目線から見ると可愛い
｢ではこれは私が世話をしながら一緒に生活をするということですね｣
｢はい｣
なるほど……アランティラか
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 384人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紫奈 - うわ~夢主ちゃんが~(T0T) (2021年11月4日 15時) (
レス) @page50 id: ad4d622729 (このIDを非表示/違反報告)
さしみ - パールさん» あ、、そうなんですね！！なんだかすみませんᯅ̈՞ ՞紫の国も楽しみです！緑の国がくるの楽しみに読みます✨志麻さんも楽しみです！ (2021年11月3日 21時) (レス) @page38 id: f5d8b248f6 (このIDを非表示/違反報告)
零 - 初コメ失礼します！前々からこのお話を拝見させていただいてます。とても面白いです何回も見直してます。渡しに行くが私に行くになってます。初コメが誤字指摘(？)になってしまいすいません。お体にお気をつけて、更新待ってます。 (2021年10月30日 23時) (レス) @page36 id: 6b3ba528f1 (このIDを非表示/違反報告)
魔灯 - 私今ユーチューブ禁止されてて新しい歌い手様を勉強できないんです(泣)あ、あらめい了解です 確かに雰囲気ぶち壊してきそうですね(笑) (2021年10月29日 17時) (レス) @page30 id: 43f1bbcd44 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - 魔灯さん» あらきさんよく分かってないんですよね(泣)めいちゃんは完全にピーラーって言って雰囲気ぶち壊してきそうなので見送りました笑浦島坂田船共に勉強しましょう！luzくんとの絡みも作りたいんですけど……話がどんどん長くなってしまうという恐怖に負けました。 (2021年10月28日 11時) (レス) id: 3af5a17f02 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
