595 ページ45
.
─────
───
─
｢お姉ちゃん！昼ごはん取りに行こ！｣
｢えぇ、ちょっと待ってね。ユアンダさん、ウミちゃんと森へ行ってきます｣
｢はい、気をつけてね｣
食卓を何度か一緒に囲むうちに仲良くなったと思う
初めこそものすごく緊張されてたけど、敬語じゃなくていいって言ってから互いに少しずつ普通に話せるようになってきた
ウミちゃんとカイくんは貴族なんか元々知らないだろうか最初っから仲良くしてくれて、村のあちこちを案内してくれたり逆に私が植物や天気の知識を教えてあげていた
｢今日もキノコ！｣
ウミちゃんはカゴを持つ私の服の裾を引っ張って森まで一緒に歩く
村の人たちも優しくて、すれ違う都度に挨拶をしてくれたり冗談めかしいことを言われたりした
｢ウミちゃんはキノコ好きだね｣
｢お姉ちゃんが美味しいキノコ教えてくれたから、ウミ本当は魚の方が好きだったけど今はキノコの方がもうちょっと好き｣
｢青の国のキノコは私も好きだよ。雨が多いから美味しいのかな｣
この森は本当にキノコが沢山生えている
食べられるキノコを思い浮かべながら食べられる分だけカゴに入れて、落ちてる綺麗な石もウミちゃんは入れていた
｢お姉ちゃん小さくなって、小さく！｣
｢どうしたの？｣
ウミちゃんに言われた通りしゃがむと小さくぷくぷくの手から花がでてきた
白くて小さな花だ
｢見つけたの、お姉ちゃんにあげる｣
｢いいの？｣
｢お姉ちゃん可愛いからあげる！｣
｢んふふ、ありがとう。頭につけておくね｣
貰った花をそのまま耳にかけてウミちゃんに見せると満足気にうなづいた
青の国ではお花はとっても稀で貴重なものだ
王はあの水に浮かぶ花しかないと言っていたけど、この辺だと小さな花なら咲いている
それとも貴族はこの小ささだと花とカウントしないのかもしれないけど
｢あぁー！お姉ちゃんの髪ドロドロになっちゃった｣
｢あー、本当だね。長いから地面に着いちゃった｣
｢洗おう！ウミ、水沢山持ってくる！｣
ここは髪を縛るものがなくて、どうしてもそのまんまになってしまう
キャップのようなもので髪をしまっていたこともあったけど、似合わないと不評だったのでやめた
葉っぱや泥が付いた髪を持ち上げて、サバサバな髪を撫で付ける
もう誰も手入れしてくれないんじゃこの髪も可哀想だ
｢ウミちゃんいいよ、もう切っちゃうからさ｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 375人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パール(プロフ) - 魔灯さん» はい、わてもです。 (2021年10月17日 10時) (
レス) id: 3af5a17f02 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - ふみさん» ひぃぇ〜。未来人間になってしまった……。ありがとうございます、治しておきます！ (2021年10月17日 10時) (レス) id: 3af5a17f02 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - わらわらびもちさん» 毎日更新途切れないように頑張ります(泣) (2021年10月17日 10時) (レス) id: 3af5a17f02 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - めろんぱんさん» こんな、川から落っこちる予定ではなかったのに、寄り道してしまいました笑楽しんでもらえてるなら、道草も意味ありましたね！ありがとうございます (2021年10月17日 10時) (レス) id: 3af5a17f02 (このIDを非表示/違反報告)
魔灯 - そらるさんが好きすぎて死にそう////// (2021年10月17日 9時) (レス) @page28 id: 43f1bbcd44 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
