14 ページ35
.
お待たせしました！っと食器を洗い終えてキッチンから顔を出す
そらるさんはなんかの携帯ゲームをしていたが、ピタッと画面を暗転させておいでっと手招きしてきた
私はそれに従い、急ぎ足のようなすり足のような、よく分からない歩き方でそらるさんのお向かいの椅子に座った
｢A、あっち向いて｣
あっちっと言って指された方は、私の方で……正しくは私の後ろにある壁で、多分後ろを向けっということなのだろうか
訳が分からないが、私は椅子を反転させて後ろを向いた
｢髪の毛染めてるの？｣
っと急に下ろしている髪の毛に私のモノじゃない手が通り抜けていった
ほんのちょびっと肩が持ち上がって、膝の上にある手に力が入る
なにか答えなきゃいけないのに、多分喋ったら音量調節が効かなさそうで口を開けない
でもそんなのそらるさんはお構い無しで、もう一回私の髪の毛を上から梳いた
段々と私は羞恥心で顎が引けてきて、視線は握りこぶしをつくってる私の手だ
私の顔絶対今赤いっ！
そして締めにっといわんばかりに、全ての髪の毛が持ち上げられ、ふわっと降ろされた
熱がこもっている首筋に冷たい金属のようなものが触れた
｢Aこっち向いて｣
足指で床をちょこちょこ引っ掛けて椅子を回し、そらるさんに向き直る
もちろんこんな顔見せられないので、顔は持ち上げられない
｢なんで下向いてんの？｣
｢………ちょ、ちょっと待ってください｣
息を吸ってやっと言えたのはそれだけで、余った息を吐き出した
どうにかこの熱を冷ましたい
｢やだ、こっち向いて｣
｢今は緊急事態です｣
｢知りません｣
冷えた手が私のあごを包んでグイッと上に挙げられた
目を丸くしてるそらるさんがバッチリ見える
｢なんで真っ赤なの｣
｢恥ずかしくて言えません｣
｢え？え？さっぱりわかんない｣
本当に分かってないのか、そらるさんは眉間にシワが寄ったが、視線が下に外れたと思ったらふわっと笑った
顎に添えられてた手がツーっと首筋を撫でていき、私の首にある何かに触れた
｢うん、似合ってる｣
え？っと思い、自分も手を持ち上げて違和感の元へ手を持ってくと、細い鎖に触れた
｢こ、これはいつの間に……！｣
｢それは今さっき｣
｢な、なぜにでしょうか！？｣
｢遅めの誕生日プレゼント｣
グルリと私が椅子を反転させたのは、当たり前の行動だと思ってます。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 385人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パール(プロフ) - 碧葉さん» こちらのURLを使って飛ぶことは出来ますか？｢https://uranai.nosv.org/u.php/novel/pearl122641/｣ 出来ませんでしたら、占ツク内で普通にRの規定をかけて検索していただければ出るかと思います。 (2021年8月8日 0時) (
レス) id: 3af5a17f02 (このIDを非表示/違反報告)
碧葉 - そらるさんの「私を彼にあわせてください」のＲ18のサイトはどうやってとべばいいですかね？ (2021年8月7日 23時) (レス) id: eecfd60453 (このIDを非表示/違反報告)
蒼色まかろん(プロフ) - なんかもう夢主ちゃんがかわいすぎる(瀕死) (2020年10月6日 21時) (レス) id: 05b235aebc (このIDを非表示/違反報告)
ふらんどーる@潤くんは天使 - まぁ真面目に言えばキスは普通に行けるでしょう。濡れ場は隠したとしてもちょっとグレーなのでそこらへんは作者様の...でもキスくらい...ですかね。 (2020年6月30日 11時) (レス) id: 8e46670866 (このIDを非表示/違反報告)
ふらんどーる@潤くんは天使 - うぇっ...！？...あーそうなんですよね〜あはは〜←ボケたけど純粋に受け止められて焦ってる人← (2020年6月30日 11時) (レス) id: 8e46670866 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：パール
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pearl12261/
作成日時：2020年5月6日 23時
