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結構ゆっくりに歩いて時間を潰しながら、会場に到着した
道行く人達はみんな脇によって、伏せ目がちに私たちの方を見る彼らも貴族だろうに、王族2人。しかも1人は“あの”白の国なのだからどの国もそれ相応の対応をしている……ということなのだろう
会場に着くと扉の前にいる役人だか、先生だかに話しかけられた
「A様とまふまふ様ですね。
使用人は1人までとなるので、準備のうち入ってください」
「1人……」
まふまふ様は決まっていたのか、言葉を発することもなく1人の男だけが前に出た
私はどうしようかと2人に視線を飛ばすと、2人で既に話し合っていたのかミラが笑みを浮かべて1歩前に出てくる
どうやらミラが着いてきてくれるようだ
「では参りましょう」
「はい」
無駄に大きな扉が開き、華やかな香りと開放的な景色が待っていた
中央にものすごく大きな円卓
そこに均等に並べられた椅子
まふまふ様に誘導されるがままに歩きながら椅子の数を数える
1……2…3……、…10脚だ
「まふまふ様、ここからは私めが」
「あぁ。じゃ、Aさん。また帰りもお送りさせてください」
「お願い致します」
国の色の椅子になっているようで、一つだけしかない黒色の椅子の前でまふまふ様と別れた
ここからはミラにバトンタッチらしい
いつものようにミラが椅子を引いてくれるので、私が椅子の前に移動して腰を下ろしていくと綺麗に座れる
ミラが私の足元にしゃがんで、ドレスのシワを綺麗に治したあと後ろに下がった
ここには私たちが一番乗りだったようで、私の左隣にまふまふ様が座った
結構距離があるけど……一応隣だ
そっからもう1つ白の椅子が続いて、赤の椅子がやっぱり多い
あそこは1番大きな大国だから子供も多いんだとか
ミラが無言で私のお茶の準備をし始める
私の好きなクッキーと甘めの紅茶だ
「早く着いてしまいましたね」
「ですね。皆様を出迎えるようでちょっぴり恥ずかしいです」
「僕の計算では、二人で歩いてるところを見せつけたかったんですが」
「まぁ、冗談がお上手」
必殺。
困ったら冗談ってことにする。
そして、口に手を当てて小さくふふふと笑えば淑女の完成なんだそうだ
高度なやり取りは私にはまだ無理なので、作法の先生が教えてくれた必殺技だ
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パール(プロフ) - イムム・ルリクリルさん» あ、ありがとうございます。長いですがお付き合いいただけると私が嬉しいです笑。ルビは完全にやらかしです。教えていただきありがとうございます(泣) (2021年4月2日 16時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
イムム・ルリクリル - おすすめに出てきたので、読んでみたら、神作品でした!(真顔)まだ、読み終わってないですが、すごく面白いです!あ、えっとそれでページ15の上から21行目(?)のRubyって、ちゃんとrubyなっていないのは僕のところだけでしょうか…?間違いだったらすみません (2021年3月31日 18時) (レス) id: 22463df6e5 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - 乃々夏さん» はじめまして、おはようございます。しょ、書籍化!?そんなですか!?ありがとうございます笑 歌い手様たちの特徴を捕えるのに必死です笑 (2021年1月8日 9時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
乃々夏(プロフ) - はじめまして!!!!なんか好きです←は? 書籍化してほしいレベルです!!!!はぁ…志麻さんのちゃんづけヤバい////(志麻リス) (2021年1月7日 22時) (レス) id: e426f8e368 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - 鼎さん» 自分の性癖をぶち込んでいこうと思います笑 (2020年12月24日 7時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
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