うちのマネは女装男子でした５【男主】

182話 ページ39

No side





1セット目の後半、
20-12で烏野が大きくリードをしている。


そのとき、




ﾄﾞｶﾞｯ!




『！……い、まの…っ…！』





ブロックに飛んだ影山が振り返ると、





日向「影山あああ死ぬなあああ！！！」


田中「殺すなよ」


『…こんだけ鼻血出てたら交代だな』


影山「鼻血なんて出てませんっ！！」


澤村「出てるよ なんで嘘つくの」





影山に代わり菅原が、日向に代わり成田がコートに立った。


現在のコートのメンバーは澤村、菅原、東峰、田中、成田、A。


Aは月島、西谷、日向とこまめに交代しながらコートに立っていた。





菅原「よっ、A！調子良さそうだなっ」


『はい。それに向こうのバレー、こっちで見たら余計に面白いですよ』


菅原「やたらと身体能力高い野球部と試合してるみたいだよな」


『すげぇわかる』





Aはコートに揃った3年生の姿に柔らかく目を細め、成田の元へ向かった。


緊張した面持ちであるものの、ガチガチに固まっているわけじゃなさそうだ。





『なーりたっ、緊張してる？』


成田「！……ああ、まあ、そりゃな」





ポンッと成田の肩を叩き、Aはにこりと笑ってみせた。






『…俺、お前と一緒にコートに立ててすげぇ嬉しい』


成田「……！」






公式戦で初めて同じコートで肩を並べる2人


かつての日本を代表するスパイカーと同じコートに立っているという事実は不思議な感じであると共に、


力強くて、頼れる最高の仲間であると安心感が広がる。





『出し惜しみせずに行けよ。あいつら(1年)に先輩のかっこいいとこ見せようぜ』


成田「……おう！」





握ったこぶしを軽く合わせ、試合が再開した。

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