172話 ページ28
Aside
「す、好きになりました…!」
文化祭が終わり、またいつも通りの学校生活が始まった。
…いや、いつも通りではないことも始まった。
「男が男に惚れるなんて、気持ち悪いですよね…。でも、篠宮先輩のことが好きになってしまったんです!」
男 か ら の 告 白 だ 。
『……えーっと…あれ見てたんだよね?ミスコン』
「はい!2-4のカフェにも行きました!」
マジか。ミスコンがきっかけじゃねぇのか。
これは初めてだ。
『…あのね、俺は別に男が男を好きになるとか女の子が女の子を好きになるとかそういうのに偏見はないの』
「!…な、なら」
『君も聞いてくれたんだと思うけど、俺は今バレーを全力でやりたい。だから気持ちは嬉しいんだけど応えられない。…ごめんな」
1年生だという彼は日向より少し背が高いくらい。
傷ついたような顔をすることもなく、彼は笑顔で元気よく返事をした。
「篠宮先輩ならそう仰ると思っていました!やっぱり優しいんですね!」
『え?…ああ、ありがと……?』
「先輩のバレー応援してるんで!頑張ってください!」
手を振って別れると、エナメルバッグを肩にかけ直して体育館に向かい始める。
文化祭は土日にあったため、振替休日を挟んだ。
しかも文化祭前の1週間は体育館は使えなかったから今日はかなり久しぶりの部活だ。
『……あ』
縁下「っ!」
『おい待て逃げるな行く場所一緒だろがコラ』
曲がり角を曲がると、丁度教室から出てきた縁下と出くわした。
しかし目があった瞬間に逸らされ、そそくさと歩き去ろうとする。
……文化祭が終わった後からずっとこんな感じだ。
『なぁ待てって。俺なんかした?』
縁下「…別にいつも通りだけど」
『こんだけ避けといてよく言うぜ。結構悲しいんだけど』
ヒョイと肩をすくめると縁下はとてもいつも通りとは言えない表情でこちらを見た。
縁下「……なら、」
『?』
縁下「ずっと仲が良いと思ってた友達にすっごく大きな隠し事されてるって知ったら……
俺はどんな顔してそいつに向き合えばいい?」
ドクン、と大きく心臓が音を立てた。
縁下は俺が若利くんと話した後に会った時と同じ表情をしていた。
縁下「…………話が、あるんだけど」
……あの話、聞かれていたんだ____________
自分の居場所が音を立てて崩れていくような錯覚に陥った。
1728人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ニノ - マジ神ですね!一瞬ではまりました!リクエスト良いですか!? (2021年3月3日 23時) (レス) id: 2da73a2d31 (このIDを非表示/違反報告)
焔蘭 - 初めまして!!!!めっちゃ面白いですね!私にもそんな文才を分けて欲しいです笑頑張ってください! (2019年3月6日 11時) (レス) id: 11e9f49b77 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶クリーム - 皆様すみません!!ご迷惑お掛けしてます!!私の方も新しくURLを所得してまいりますので…!!!!本当にすみません┏○┓ (2018年1月13日 9時) (レス) id: 9fe09aed16 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - あ、いえいえ。そうなんですね。バグですか……。明日には直ってるといいですね。一刻も早く直ってほしい限りですね……! (2017年9月18日 20時) (レス) id: cc7912d21e (このIDを非表示/違反報告)
ぱや(プロフ) - 美桜さん» 只今作者も確認しましたが作品内のURLだけでなく、HPの方からも見れなくなっています(;_;) 何らかのバグかも知れません、ご指摘ありがとうございます。解決方法探してみます! (2017年9月18日 20時) (レス) id: ab4af77f12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぱや | 作成日時:2017年8月20日 20時