17 ページ17
店を出る頃には結構酔いが回っていて、ちょっとヤバいかもな、なんて思いながら駅へ向かう。照史は小瀧くんの面倒を見てくれている。お酒強いらしいけど、疲れからかかなり酔っているようだ。
橙「小瀧〜大丈夫か〜?ほれ、水。Aの分もあるから」
桃「すんません、大丈夫です、あ、俺今日友達のとこ泊まります、なんでいつもと違う線なんです」
『ありがと』
改札を通ればそう言って照史が利用してる線を指差す。ああ、よかった、照史がおるなら安心やな、と2人をホームに送り込む。
橙「Aは大丈夫?送ろうか?」
『大丈夫!普通にしっかりしとるし、それに線も違うからええよ、ほら電車くるやろ?』
橙「何かあったら連絡してや?なんなら駅でたら電話繋いでてもええし」
『大丈夫やって!ほら!私も電車くるから!』
桃「んふふ〜、また飲みましょ!」
橙「…ん、ほなまた月曜な」
『おやすみ、気をつけてね』
納得していない様子の照史をなんとか見送り、ホームへ向かう。夜遅いこともあっていつもより空いている。今日は座れそうやな。次来るまで10分近くあるため、もらった水を飲みながらベンチにて電車を待つ。ふと目の前から圧を感じて顔を上げれば、少し頬を赤めた藤井くんが立っていた。
青「あ、やっぱりAさんや」
『あ、藤井くん』
青「一緒に帰りましょ、ふふ」
アルコールの力からか、いつもより少しふわふわした雰囲気に見える。帰る元は同じなので断る理由もない。2人並んでベンチに座り電車を待つ。神ちゃん、と呼ばれる子の話をしていて、あ、そういえば居酒屋でもその名前聞いたな、と。
『その神ちゃんと仲良いんやね』
青「はい、同期なんです!ほんでめっちゃ可愛いんですよ」
『んは、ホンマに好きなんやな』
青「神ちゃんは俺の顔めっちゃ好きって言うてくれます」
神ちゃん、ええなあ。藤井くんに可愛いって思ってもらえて…。って…いやいやいや、ええなあ、ってなんや、それ。
青「あ、電車きた。立てますか?」
『ああ、ありがとう』
差し出された手を握りベンチから立ち上がる。車内もガランとしており、2人並んでふかふかの椅子に腰掛ける。眠いのかコクコクと船を漕いでいる。
『眠かったら寝てもええよ、起こすし』
青「…ん、おやすみなさ…い」
寝るの早!なんて思ってればトスン、と肩に重みが。えっ、と、とりあえず背筋伸ばして頭を受け止める。
333人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
和花(プロフ) - 毎回更新楽しみにしてました!また、他の作品できましたら読みに来ますね♡ (2023年3月1日 10時) (レス) @page33 id: a2603959e4 (このIDを非表示/違反報告)
千歳あめ - とても面白くてお気に入りになりました!ふわふわ流星くんかわいい!(◍•ᴗ•◍) (2023年2月28日 23時) (レス) @page33 id: a0f783b703 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:(笑) | 作成日時:2023年1月17日 12時