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2.Enthauptung ページ3





「俺と付き合ってください…!」


 それは、人生初めての告白だった。確か、この男子は高1のときに1回席が隣になったことがある人だ。鏑木くんだったっけ。今じゃクラスも違うのに、随分一途な可愛い心を持ってるみたい。


「あー、えっと…よろしくお願いします」


 私は単純にもOKしてしまった。あー、いつだったか蘭が言った通り私は本当に単純らしい。勿論好きだったわけじゃないし、顔も蘭よりいいわけもないし、まあ付き合ったら好きになるかもしれないし、なんていう無責任な私の考えから付き合った。昔から蘭と一緒にいることが多かったから、恋人が出来たことがなかった私にはかなり新鮮なものだった。


 その日の帰り、早速一緒に帰ることになって、鏑木くんと昇降口に向かうといつも通り蘭が居て、私に気付くと若干怪訝な表情で私を見た。


「誰ソイツ」
「隣のクラスの鏑木くん。ごめん付き合うことになったから、もう蘭と帰れない」
「あっそ、謝る意味わかんねーけどな」


 確かに、て思った。付き合ってるわけじゃないし、約束をして一緒に帰ってたわけじゃないんだもんね。そう考えると私と蘭て何だったんだろうなと思えてくる。蘭は電話をかけ始めて、上履きを履いた。そのとき、蘭の肩が鏑木くんに当たって彼が少しよろけたのを電話で話しながら、見下ろして中に入っていく。


「あれって灰谷蘭?そういえばAとよく一緒に居たかも」
「えっと幼馴染でさ、」
「そういうことか、じゃあ帰ろっか」


 そう言って、ぎゅっと手を握られた。思ったより大胆だなあ〜て思いながら、顔を見れば随分恥ずかしそうにしていた。純情乙女か。


「ご、ごめんいきなり。俺彼女出来たことないからすっげぇドキドキして頑張ってみようとおもったんだけど嫌だった…?」
「ううん、私も初めてだから。鏑木くんと同じ。


今すごくドキドキ(ゾクゾク)してる」




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作者名:パチンカスヱ | 作成日時:2021年11月14日 1時

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