⥥(公開し忘れ🙏💦12/26/23:37) ページ12
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いつも起きるアラームで都合のいい微睡みから覚めた。やっぱり夢だったのかもしれない、と少し思い巡らせて身体を起こせば肌を滑り床に落ちたスーツの上着にあっさりと現実だったのだと、意識が呼び起こされる。おもむろに、服を着てしっかりと消されていた休憩室内の明かりをつければテーブルの上に置き手紙らしきものがあることに気付いた。
すぐにそれを手に取り目を通せば、彼の名前がフルネームで記されていて、その下には電話番号が書かれていた。思わず、きゅっと少し紙を握り締めてシワがよる。
「春千夜…さ、ん」
噛み締めるように彼の名前を反芻する。綺麗な名前だな、て彼にぴったりだと少しだけ口端が上がる。掛けるときがあるだろうか、流石に嫌われているわけじゃなさそうだと、恋愛経験の少ない私でも何となくわかる。目は口ほどに物を言うものとはよくいう、実際情事を思い返せば彼の視線はずっと私を捉えていて、言葉に出来ない何かを私に伝えているかのようだった。
それからというもの、彼はまた毎朝いつもの注文で来店するようになった。よかった、と安堵した。彼が来なかった間のことはよく分からないけど、愛想を尽かされたとか鬱陶しく思われたというわけじゃなかったからだ。それで彼の代わりにあの二人組が来ていたのかもしれない。三途さんが来るようになってからぱったりと彼らの姿を見なくなったのだ。
彼の連絡先を貰って最初に私が電話を掛けてから、彼からも深夜に電話が来るようになった。
それは確かに幸せだった。しかし、恋人のような存在なのに、想いは通じ合っているという確信がない私たちの関係を私の病は甘く見ることは無かった。段々と、仕事に支障が出るまで病状は深刻化していっていた。私は彼には黙っていた。あれ以降、彼と話しているとき、会っているときはそれとなく隠して花を吐きこぼして、彼に気を遣わせぬように、と。
でも、現実とはいつも理想よりも酷だ。前触れもなく、独特の嫌な感覚を感じることなく気付けば口端から花弁がこぼれ落ちているなんてことがあるようになってしまったのだ。それも、よりによって彼が私の家に来ていたときだった。春千夜さんの表情が凍りついてから私はその視線を辿ってやっと気付き、すぐにトイレへと駆け込んだ。
「ぐっえ゛、っ…」
「っ、おい…本当に大丈夫なのかよ」
彼は私の後を追って、百合の花を吐き出す私の背中を優しい手付きでさするその優しさも辛かった。
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パチンカスヱ(プロフ) - 凛愛さん» ありがとう😌💕こちらこそ最後までお付き合い頂きありがとう😌 (2021年12月30日 8時) (
レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
羽糸(プロフ) - 完結おめでとうございます！表現ひとつひとつが刺さるお話でした…！！たった一度の恋をこんなにも儚く美しく書ける文才に感嘆するばかりです。書いてくれてありがとう！！ココくんの新作も楽しみにしてます🥺🥺 (2021年12月26日 20時) (レス) @page17 id: 85bd249cc8 (このIDを非表示/違反報告)
凛愛(プロフ) - 完結おめでとう！！泣きました…素敵なお話をありがとう…😭😭 (2021年12月26日 13時) (レス) @page17 id: f83a603b36 (このIDを非表示/違反報告)
パチンカスヱ(プロフ) - 桜峰瑠璃さん» 嬉しいです……！！！！ 一緒に出頭しましょう🥰 (2021年12月2日 15時) (レス) id: fe109e5f3f (このIDを非表示/違反報告)
桜峰瑠璃(プロフ) - ヤバい！！！全性癖にぶッ刺さる！（）しゅき…興奮する！！！！！（通報案件） (2021年11月30日 17時) (レス) @page5 id: 643076eff9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パチンカスヱ x他1人 | 作成日時：2021年11月24日 6時
