奇妙な人生2nd【JW】 (ページ22)

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strange50 ページ22

紙、１枚１枚に隙間なく埋められた写真

それは全て、

｢………神山…くん？｣

被写体として撮ってもらっているというよりは

隠し撮りされているように見える。

｢一体…どういうこと…？｣

ガレージでひとり呆然としていた。

そう言えば…と少し思い当たる節があった。

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

USBを取りに戻った、学生寮から出た時。

駐車場に向かう途中で、

神山くんと濵田警備員が揉めているのを目にしていた。

濵田｢…ええか、俺は生徒の事はなんもかも把握しとるんや

黙っとらんと、なんとか言えや！｣

神山｢な、何のことかわかりまへん…｣

神山くんは…一体、

何から狙われているの？

何から逃れているの？

この現場は写真に収めたら何かの証拠になるのかな…

ﾊﾟｼｬｯ

ポラロイドカメラでフラッシュを炊かずに画を収めた。

濵田｢ええか？よう聞け！

俺の目は誤魔化されへん

隠し事が出来るやなんて、思わんことや。

わかったな｣

神山｢もう…やめてください…｣

濵田警備員は舌打ちしてその場を後にする。

神山くんはうっすらと目尻に涙を浮かばせていた。

学生寮へと向う足取りで私に気づく。

｢あっ、かみや(神山｢…Aさん………

…なんで…見てるだけやったん？

止めてくれへんねんな……………。｣

｢………｣

何も声をかけられなかった。

証拠としての写真は手元にあっても、

すぐに神山くんを助けることに繋がった訳では無い。

神山くんは私を睨んでそのまますれ違って行く。

助けを訴えるようなその目に、

私は気づいて挙げられなかったのだろうか。

悔しさと悲しさを抱えたまま、

寮に向かう神山くんの背中を見つめていた。